・出典:耳鼻科50音辞典
http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/index.htm
・【アレルギー性鼻炎と漢方治療】
鼻の症状で来た時に、まずこの方が『アレルギー性鼻炎か』などを調べないといけません。
まず視診で鼻の症状を見て、問診で症状を聞いた後、鼻汁好酸球を鼻水から接種します。
それからレントゲンで副鼻腔炎の合併とか,何と言っても原因のことですが、
そのアレルギーの抗原を皮内テストで数種類調べます。
1)急性副鼻腔炎(細菌性もしくはアレルギー性)を合併してる方です。
青いウミのような鼻水、異常な鼻詰まり、そして頭痛と。薬で2週間以上やり過ごし、しかし効かないというので来院された方が多いようです。
まず鼻、副鼻腔から徹底的に溜まってた鼻水を吸引して急性副鼻腔炎に準じた治療をしますが、アレルギー性鼻炎の導入療法(抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤か抗コリン点鼻薬、粘膜改善のための消炎酵素剤(ムコダイン)と、あるいは副腎皮質ホルモン入り点鼻薬など)西洋の薬はもちろんながら、後抗生物質と漢方薬ではたいてい『辛夷清肺湯』か『黄連解毒湯』かを併用します。
『荊芥連翹湯』も副鼻腔炎症状が強い人に使っています。
最近は排膿散及湯を使うことが多くなりました。
要するに副鼻腔炎の状態で変えます。
2)そしていったん副鼻腔炎が改善して今度はアレルギー性鼻炎に移ってきます。
あるいは初めから副鼻腔の合併がない人への処方です。
この時に、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤か抗コリン点鼻薬、粘膜改善のための消炎酵素剤(ムコダイン)とあるいは副腎皮質ホルモン入り点鼻薬なども続けます。
ここまで行ったら今度は本格的にアレルギーに絞った漢方薬治療をします。
まず、今までは『小青竜湯』を使っていましたが、これには水のような鼻水が止まらない人にいいのですが。
自律神経の異常、つまり異常にくしゃみや鼻水の発作が止まらない人にはあまり効きません。
それでここで症状を聞いてくしゃみなどの発作が主なら『麻黄附子細辛湯』を使って非常に効果がありました。
しかし小青竜湯が効果があった人もいました。
麻黄がいいのではないかと思います。
とはいえ『麻黄湯』だけでは効きにくかったようです。
3)喉のアレルギーに悩まされまされてる場合。
喉アレルギーです。風邪でもないのに咳と、喉のいがいがで来院されましたる場合今度はうがいと、喉吸入、そして漢方薬は『葛根湯』『柴朴湯』『加味逍遥散』などを年齢、性別などにあわせて出しています。特に女性には加味逍遥散。咳喘息の場合は柴朴湯や葛根湯が効果があります。
4)妊婦さんで,鼻が詰まる場合これにはなぜか『当帰芍薬散』で改善しました例もあります。
鼻の粘膜の浮腫によるものかも知れません。
5)皮膚炎と併発してる場合十味排毒湯を使うこともあります。
6)子供は時々補中益気湯を使う場合もあります。
考えてみたら、本当にこれならこうするというより抗アレルギー剤とか漢方薬も相性のような気もします。
特に抗アレルギー剤は眠気が強いのもあったり、そういう場合も考慮していますし、同じ症状でも同じ薬に対して効く人と効かない人があります。
漢方薬を使っていいことはあまり表に出ないけど、軽いながら悩まされる症状たとえば喉のいがいが、咽喉頭異常感症状、朝のくしゃみ発作や鼻水発作などに対すると、西洋の薬単独に比べ奏功しています。
もちろん漢方薬だけでいい人もいたけど、たいてい西洋薬と漢方薬との併用でお互い足りない部分を補いあうような気がします。
割り切れないところが,この漢方治療のいいところなのかも知れません。
これはこれから勉強したいことです。
ただ一つだけ、これはスポーツと耳鼻科で項を改めて書きますが、漢方薬だからドーピング検査で大丈夫ということはないのです。
例をあげると、葛根湯のマオウなどは禁止されています。
だからスポーツ選手でドーピング検査をされる場合は、自分で勝手に買わないことと後医師ないし薬剤師のきちんとした承認、これは守ってください。
ドーピングとアレルギー性鼻炎その1 医療機関で出す医療用薬品も参考にしてください。
ある程度ドーピングに敏感な医療従事者なら、この漢方薬に禁止薬物が入っているかは調べてくれます。