若年成人の喘息大発作はここ10年でどう変化したのか | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
気管支喘息 疫学・統計
座長:井上博雅(九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設)

P1-1-7.若年成人の喘息大発作はここ10年でどう変化したのか

関谷潔史, 谷口正実, 谷本英則, 龍野清香, 福冨友馬, 押方智也子, 粒来崇博, 釣木澤尚実, 東 憲孝, 大友 守, 前田裕二, 森 晶夫, 長谷川眞紀, 秋山一男
国立病院機構相模原病院臨床研究センター


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【目的】喘息ガイドライン普及後に喘息大発作患者の臨床背景がどう変化したかは明らかでない.

若年成人喘息における大発作症例の変化を10年前と現在で比較する.

【方法】平成9年~11年の3年間と平成19年~21年の3年間で喘息発作でSpO2 90%以下となり入院した34歳以下の患者における臨床背景の変化を検討した

【結果】以下10年前(平成9-11年)と現在(平成19-21年)の比較.延べ患者数:78件から27件に減少.3年間で大発作を繰り返した割合:24.5%から0%へ減少.入院前コントロール状況:軽症割合が42.3%から55.6%に増加.定期通院の割合:62.8%から22.2%に減少.

ICS使用率:56.4%(BDP-CFC)から22.2%(FP,BUD)に減少.喫煙率:41.0%から66.7%に増加.なおいずれの期間でも発作死はなかった.

【考察・結論】若年成人の喘息大発作入院数は,この10年間で約1/3に減少していた.

その臨床背景も変化しており,不定期通院・ICS未使用・喫煙者の割合が増加していた.

以上の結果は,若年成人の喘息大発作を減少させるための今後の対策として,禁煙指導とアドヒアランス向上が重要であることを示している.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催