・朝日10月11日 除染対象8都県に拡大 基本方針案 1ミリ超の1.3万平方キロ
東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質による被曝線量が年1ミリシーベルト以上の地域は、8都県で約1万3千平方キロ(日本の面積の約3%)に及ぶことが朝日新聞社の集計で分かった。
環境省は10日に国の責任による除染地域を年1ミリシーベルト以上とする基本方針案を決めた。
同省は当初、年5ミリシーベルト以上を基準とし、範囲を福島県内約1800平方キロとしてきたが、7倍に膨らむ計算だ。
航空機による文部科学省の放射線量の測定結果を基に、環境省が事故による追加被曝量が年1~5ミリの地域の分布図を作製。
福島県は8月28日、他の地域は9月18日現在の線量別面積を朝日新聞社で計算した。
その結果、福島県は5ミリ以上の約1800平方キロに加え、1~5ミリの地域が約6200平方キロ。
同県の面積(1万3782平方キロ)の6割にあたる約8千平方キロが除染の対象となる。
残る7都県に5ミリ以上の地域はなかったが、1~5ミリは群馬県で約2100平方キロ、栃木で約1700平方キロ、宮城、茨城が各約440平方キロ、千葉が180平方キロと続き、東京と埼玉は20平方キロ前後だった。
分布図には「ホットスポット」が反映されていない。
文科省は22都県を対象に順次、航空機で計測しているが、岩手、新潟、長野などの結果次第で1ミリ以上の面積は増える可能性もある
環境省は9月末、5ミリ以上の地域で表土を除去し、1~5ミリは限定的に除染した場合、汚染された土壌や森林の落ち葉の量は最大約2900万立方メートルと公表。
除染費用として約1兆2千億円を国として見込んだ。
しかし、自治体の反発を受けて、同省は10日に放射能汚染に関する有識者の検討会で1ミリ以上の地域を国の責任で除染するという基本方針案を提示し了承された。(石塚広志、森治文).