東日本大震災と化学物質より9 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・■朝日10月8日 仮置き場確保2町村どまり 福島の除染土

 福島県の市町村のうち、放射性物質の除染で生じる土などを保管する「仮置き場」が自治体単位ですべて決定しているのは2町村にとどまることが朝日新聞の調査でわかった。

確保が進まない習景には、仮置き揚から土などを移す「中間貯蔵施設」の設置が見通せない現状がある。
 また、除染実施計画の策定を予定したり検討したりしているのは8割の市町村にのぼる。

多くの市町村が除染への国のかかわりを求めていることを示している。
 県内全59市町村に聞いた。

国が除染計画を立てる警戒区域と計画的避難区域に全域が指定されている6町村を除いた53市町村のうち、除染実施計画の策定を予定しているのは28、検討中が19だった。

予定がないのは6町村で、すべて原発から離れた会津地方。放射線量が年間一積算で1ミリシーベルトを超える場所がないことなどを理由に挙げた。

仮置き場を自治体単位で確保したのは泉崎村と会津坂下町だけで、いずれも町村有地。福島市と大玉村、鮫川村は一部地区だけ設置が決まっている。
 仮置き場に置いておく期間が分からないため住民の同意を得にくい、とする自治体が目立った。

中間貯蔵施設については、いずれの市町村も自分のところへの設置に否定的、消極的な答えだった。(木村俊介、小泉浩樹)


除染計画と仮置き場
 警戒区域と計画的避難区域、年間積算放射線量20ミリシーベルト以上の場所は国が除染し、同1~20ミリシーベルトの地域は市町村が除染する方向。

特別措置法では、国は市町村に、除染の対象の施設や方法などを盛り込んだ除染実施計画を作るよう求めている。

除染で出た土などは市町村が設ける仮置き場にまず保管し、その後、中間貯蔵施設に移す方針を国は示している。

置き場のない土 住民「除染は進めたいが…」 先見えず用地確保遅々
 放射性物質を取り除く除染に伴って生じる土や泥などの「仮置き場」の確保が、福島県内で進まない。

そこを解決しないと除染は加速しない。行政と住民、どちらも悩む。
■中学校まで100メートル 本宮市のまち中にある4770平方メートルの三角土地。

広場になっているその場所が仮置き場の候補地の一つだ。

道路を挟んだ向かいに市民プールと体育館。100メートルほど先に中学校、さらに300メートルほど行くと小学校がある。
「保護者から『会長がしっかりしないからだ』と怒られた」。

小学校のPTA会長渡辺知好さん(38)は嘆いた。3人の子どもの親。

通学路の除染は進めてほしい。仮置き揚がないと進まないことは分かっている。

だが、候補地を聞いてあきれた。

「いくらなんでも、学校近くに置くのはおかしい」
 9月27日夜に開かれた住民説明会は荒れた。200人余の住民が高松義行市長らに詰め寄った。

約3800人分の反対署名が渡された。

「仮置き揚をいつまで使うのか」。

住民の問いに市長は「2、3年と考えている」と答えたという。

だが仮置き場の先にある「中間貯蔵施設」は不透明。

「みんな、仮置きが最終処分場なんだべ、と心では思ってる」と渡辺さんは言う。

説明会は2時間余。

住民が計画の白紙撤回を求めたが、物別れに終わった。
 中学校のPTA会長渡辺泰志さん(46)は会場で住民と市のやりとりを聞いていた。「子どもたちは除染されていない通学路を歩いている。仮置き場を使う期限がはっきりしていれば、もしかすると落としどころがあったのではないか」
■困り果てる区長
 本宮市に隣接する大玉村。8月中旬、ある民有地を仮置き揚にする計画を立てたが、住民の反対で頓挫した。

村は、全体の仮置き場を断念し、17の行政区ごとに決めるよう区長に指示した。しかし、これまで決まったのは一つだけだ。

区長の一人、遠藤守雄さん(67)は困り果て、区内に四つある集落ごとに決めることにした。
 一つの集落が農地に決定。

遠藤さんは他の集落の分もそこで受け入れるように頼んだが、「他のところのごみは受け入れね」と拒否された。

「やんなきゃいけねえとは分かっている。でもいつまで置くか分からねえからみんな置きたくねえんだ」。遠藤さんはため息をついた。
■「仮々置き場」
 川内村の住民向け説明会は7日、避難売の郡山市で開かれた。

村は村内の5カ所ほどに仮置き場をつくる考えを示したが、住民から疑問が相次ぎ、結論は出なかった。

候補地の一つは警戒区域内の牧草地だった村有地。5世帯ほどの集落から1キロ弱という。

集落に自宅がある女性(78)は「ほかの候補地も含め、ごみをどこに集めるのかはっきりしてほしい」と訴えた。
 遠藤雄幸村長は、「安全面に問題はない」と強調。

仮置き場をつくる前にまず「仮々置き場」で対応する考えも明かした。

それでも候補地に近い村民は「納得できない」。

説明会後、村職員が「つくらせてもらえないか」と頼んで回った。

候補地に近い地区に自宅がある男性(78)は「汚いのが近くに来たら、井戸水も飲めなくなっちゃうかもしれね」と心配した。