・■朝日9月29日 汚染土国有林に仮置き 林野庁方針 飯舘村・二本松市
林野庁は、東京電力福島第一原発の事故に伴う除染作業で出た汚染土の仮置き場として、国有林をあてる方針を固めた。
福島県の飯舘村と二本松市にある国有林内に仮置き場を設ける方向で、自治体側と調整に入った。
仮置き揚のめどが立てば、除染作業を進めやすくなる。
政府は、8月の「除染に関する緊急実施基本方針」で、年間被曝線量が20ミリシーベルト以下の地域の除染作業で出た汚染土について、中問貯蔵施設に運ぶまでの間、市町村が仮置き場で保管するように求めている。
関係市町村は、仮置き場の用地として国有林を使いたいと要望。
林野庁は「国が除染に責任を持つ以上、前向きに協力したい」(幹部)として、地元住民の理解や水源の保全に支障がないことなどを条件に、使用を認めることにした。
飯舘村は仮置き場の侯補地を村内の国有林に絞り込んでいる。
林野庁と具体的な協議に入るが、面積は数ヘクタールを想定。汚染土は箱形のコンクリートブロツクに詰め、造成して平らにした用地に遮水シートを敷き、ブロックを並べる方法を検討。
今年度中に造成を始める方向で調整している。
林野庁によると、二本松市も市内で候補地を絞り込んでいる。
地元の同意を得たうえで、今年度中に造成を始める考え。
福島県田村市も国有林内への設置を検討中といい、林野序は他の自治体の要望にも可能な限り応じる方針。(木村裕明)
汚染土壌の中間貯蔵施設一9千万立方メートル必要
環境省の南川秀樹事務次官は28日、福島県郡山市内で記者会見し、東京電力福島第一原発事故に伴う除染土壌を保管する中間貯蔵施設の規模について、「多めに見積もって幅3キロ、奥行き3キロ、深さ10メートル」と述べ、約9千万立方メートルの容積が必要との目安を示した。
同省は除染で生じた汚染土壌などの量は推定約2900万立方メートルとの試算を出している。
ただ、除染次第で試算値を上回る可能性があるという。
さらに放射性物質の漏出を防ぐため、厚いコンクリート壁で囲った区画をいくつも造る分、容量が減るうえ、除染土壌のほかに焼却灰や下水汚泥などの放射線量の高い廃棄物も収容したりする可能性があることなどから、余裕を持たせる必要があるという。
南川次官はまた、十分な規模が確保できない場合は、施設を複数に分けて造る可能性にも言及。
設置場所は未定だが、「建設が始まれば除染も進む」として選定作業を急ぐ一方、福島第一原発の敷地内への建設は「廃炉に向けて大規模作業が続き、何年先に造れるか」と否定的な考えを示した。(森治文)