眼瞼腫脹を主症状として発症したChurg-Strauss症候群の一例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム24
膠原病と類似疾患1
座長:佐野 統1), 猪熊茂子2)(兵庫医科大学リウマチ・膠原病科1), 日本赤十字社医療センターアレルギー・リウマチ科2))

MS24-8.眼瞼腫脹を主症状として発症したChurg-Strauss症候群の一例

寺田哲也
洛和会音羽病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科


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48歳の男性.受診2ヶ月前より,下肢の関節周囲の掻痒感を伴う皮疹,軽度の上眼瞼腫脹,下肢の筋肉痛を認めていたが放置していた.

既往歴としては気管支喘息があったが喘息発作はほとんどなく薬物治療はされていなかった.

受診数日前より眼瞼腫脹が顕著となり当院眼科を受診し,撮影された副鼻腔CTにて高度な副鼻腔陰影を認めたため,眼瞼突出の原因検索のため耳鼻咽喉科を紹介受診した.

両鼻腔を充満するやや硬い鼻茸を認めたため生検を施行し,汎副鼻腔炎として,近日中の内視鏡下副鼻腔手術の予定を立てていたが,その3日後に手掌,手指の隆起性の皮疹や下肢の脱力に伴う歩行困難を認めた.

末梢血中の著明な好酸球増多(33.1%),総IgE値の増加(405IU/ML),CRPの上昇(5.89),MPO-ANCAが陽性(213EU)でありChurg-Strauss症候群が疑われ,入院となった.

なお,入院後施行した皮膚生検にて好酸球浸潤を伴う小動脈炎を認めた.

入院後はステロイドパルス療法を施行し,治療開始後3日目から諸症状の改善傾向を認め,現在は外来通院加療中である.

好酸球増多を伴う高度な慢性副鼻腔炎の治療経過中に血管炎様所見を伴う場合は早期の全身精査が必要であると考えられた.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催