医師はどう診断?~悠香『茶のしずく問題』検証(3) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・石鹸による小麦アレルギー」医師はどう診断?~悠香『茶のしずく問題』検証(3)
2011年9月 5日 11:07
 既報の通り、悠香の『茶のしずく』石けんによる小麦アレルギーは、通常の小麦アレルギーと症状が異なり、似ているが別のアレルギー疾患であることがわかった。
だが、医療施設では通常の小麦アレルギーとの違いを見分けることができず、『茶のしずく』の使用歴がわかっている患者に対しても、医師から「石けんが原因」とはっきり告げられないケースも確認できた。

 背景には、国内にアレルギー専門医が少ないといった問題もあるが、専門医でない医師は新しい病気と対峙しなくてはならず、先端の医療情報が届いていない場合、対応が難しくなる。

 こうした状況を見越して、福冨医師らはアレルギー情報センターのホームページで、医療従事者に向けて『茶のしずく』石けんで発症した小麦アレルギーについての疾患概念と診断の目安を公開している。
診断の目安はわかりやく、下記3点の基準が基本となる。

■"茶のしずく石鹸"を使用したことにより発症する小麦アレルギーの診断の目安
(1)小麦経口摂取後、4時間以内に何らかのアレルギー症状が誘発された病歴をもつ。

このアレルギー症状が小麦以外による食物の経口摂取による可能性が臨床的に否定できる。

(2)病歴で小麦アレルギーの発症よりも、"茶のしずく石鹸"の使用開始時期が先行する。

(3)Prick testもしくは血液特異的IgE抗体価検査で、小麦(もしくはグルテン)または加水分解コムギに対して陽性反応を示す。

注1)小麦経口摂取による症状は、必ずしもアナフィラキシーである必要はない。軽度の眼のかゆみや眼瞼の腫脹、腹痛のみのこともあり得る。
注2)入院食物負荷試験の結果は非常に参考になるが、臨床的に間違いのない小麦によるアレルギー症状誘発歴があれば、負荷試験は診断のための必須条件ではない。
注3)血液小麦、グルテン特異的IgE抗体検査や小麦やパンによるPrick testが陰性になる症例の報告もある。0.01% (0.1mg/mL)加水分解コムギ水溶液によるPrick testが陰性であればおおむね加水分解コムギに対する感作を否定してよい。


※アレルギー情報センター ホームページより
 上記の1から3をすべて満たすことを目安にして、さらにその他の臨床情報を参考にしながら、担当医師はアレルギー症状の原因が『茶のしずく』であると臨床的に診断する。

ただ、すべてを満たさなくても『茶のしずく』によるアレルギー症状であることを否定できず、現状では、最終的な診断は診療している医師の臨床診断に委ねられるという。

 (3)のPrick test(プリックテスト)とは、プリック針と呼ばれる針で皮膚に軽い傷をつくり、そこに加水分解コムギ末を直接つけて、腫れの度合いを測定する皮膚テストのこと。

このテストでは、患者がショック症状を引き起こすこともあり、専門の医師による検査が必要だ。

福冨医師らは、アレルギー情報センターのホームページにて、プリックテストを行なうことができ、『茶のしずく』石けんによるアレルギー症状の診療が可能な医療施設の一部を紹介している。

また、対応可能施設は今後、追加して掲載していく予定だという。