・一般演題
食物アレルギー2
座長:今井孝成1), 木村光明2)(1)国立病院機構相模原病院小児科, 2)静岡県立こども病院感染免疫アレルギー科)
MS2-2-4.IgE非依存型ミルクアレルギー児における牛乳蛋白特異的リンパ球増殖反応の推移
木村光明 佐野史絵 勝又 元
静岡県立こども病院 感染免疫アレルギー科
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【背景】新生児および乳児期早期のIgE非依存型ミルクアレルギーは下痢,嘔吐,血便を主訴とする疾患であり,牛乳タンパクに対するリンパ球増殖反応(SIF:stimulation index measured by flowcytometry)が亢進している.
ほとんどの症例は1歳までに耐性を獲得するが,その機序はまだ明らかでない.
【目的】IgE非依存型ミルクアレルギー児における牛乳成分蛋白特異的SIF値の推移を明らかにし,牛乳蛋白に対する耐性獲得との関連について検討する.
【対象と方法】生後0~11ヶ月のIgE非依存型ミルクアレルギー児のべ96名を対象に,αカゼイン(CAS),βラクトグロブリン(BLG)および牛血清アルブミン(BSA)-SIF値を測定し,各蛋白間で月齢推移を比較した.
【結果】すべての蛋白に対してSIF値は新生児期に著明に亢進しており,最高値を示した.
BLG-およびBSA-SIF値はその後急速に低下したが,CAS-SIF値は乳児期中期から後期に至っても高値が持続した.4~5ヶ月児のBLG-およびBSA-SIF値は新生児に比べ有意に低かったが(p<0.05およびp<0.01),CAS-SIF値には有意差は見られなかった.
【結論】IgE非依存型ミルクアレルギーの自然治癒の過程にはBLGやBSAなどに対する異常な細胞性免疫反応の鎮静化が関与していることが示唆される.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催
runより:IgE非依存型というアレルギーがある事に驚き記事にしました。