ビフィズス菌の食物感作に対する予防効果 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム22
食物アレルギー・薬物アレルギー―病態生理と治療2―食物アレルギーの診断と評価―
座長:高橋義博1), 平家俊男2)(大館市立総合病院小児科・小児アレルギー科1), 京都大学大学院医学研究科発生発達医学講座発達小児科学2))

MS22-8.ビフィズス菌の食物感作に対する予防効果についての検討

岸田 勝 藤原順子 黒岩 玲 中里純子 小田優子 中村浩章 平井 香 井上美沙子 鈴木五男
東邦大学医療センター大橋病院小児科


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【はじめに】著者らは,食物アレルギーを持つアトピー性皮膚炎乳児を対象にビフィズス菌のBifidobacterium breve M-16Vを投与し,その後のアレルギー症状に与える影響についての検討において,投与群においてTh1/Th2バランスの改善が認められたことを報告した.

今回,上の兄弟に食物アレルギーを認め,母親にアレルギー疾患のある次子を対象に食物アレルゲン感作について検討した.

【対象および方法】対象は,いずれも母親にアレルギー疾患があり,兄弟に食物アレルギーのあった乳児6例(男児2例,女児4例)である.

生後1か月時よりビフィズス菌製剤の服用を開始し,同時に母親に対して鶏卵および乳製品など食物調整を指導した.

その後6か月時に皮膚プリックテストを施行した.

【結果】栄養法は完全母乳4例,混合2例であった.

6例中5例で,卵白,牛乳,大豆,小麦,米に対するプリックテスト全て陰性であった.

1例において卵白,牛乳に対して陽性であった.湿疹は,6か月時点でプリック陽性の1例で全身性の湿疹を,2例で顔部に軽度の湿疹の出没を認めた.

以上から,早期よりのビフィズス菌投与が乳児の食物アレルゲン感作に対して抑制的に働くものと考えられた.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催