・ミニシンポジウム22
食物アレルギー・薬物アレルギー―病態生理と治療2―食物アレルギーの診断と評価―
座長:高橋義博1), 平家俊男2)(大館市立総合病院小児科・小児アレルギー科1), 京都大学大学院医学研究科発生発達医学講座発達小児科学2))
MS22-7.小麦負荷試験結果と小麦コンポーネントに対するIgE抗体価およびIgG抗体価
柴田瑠美子1) Camilla Eriksson2) 田中 昭2) 西間三馨1)
国立病院機構福岡病院小児科1) ファディア株式会社2)
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目的:小児の即時型小麦アレルギーでは経口負荷試験における誘発予測が困難な場合が多い.
負荷試験結果と小麦コンポーネント特異IgEおよびIgG抗体の関連を検討した.
方法:対象は1歳~8歳の小麦アレルギーで小麦負荷試験0.03g~15g(うどん50gまで)の陽性8例,陰性8例.
小麦コンポーネントはαアミラーゼインヒビター(AAI),グリアジン,小麦水溶性画分,ω5グリアジン,グルテンに対するIgE抗体,IgG抗体,IgG4抗体,総IgEをImmunoCAPにて測定した.
結果:負荷試験陽性群では,すべての小麦コンポーネントsIgE抗体価は陰性群より高値を示し(0.003<p<0.02).総IgE,sIgG抗体,sIgG4抗体は両群で差はみられなかった.
負荷陽性群の各コンポーネントおよび水溶性画分+グリアジンsIgE抗体とsIgG抗体の比(sIgG/sIgE)は,陰性群より著明な低値を示した(0.0002<p<0.004).ω5グリアジンIgE抗体陰性,負荷陽性の1例で小麦22画分のマイクロアレイによる検討を行いAAI関連分画のみの陽性が確認された.
考案:小麦コンポーネントsIgE,sIgG抗体測定(とくにグリアジン,AAIのsIgG/sIgE)は小麦アレルギー誘発予測に有用であることが示唆された.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催
runより:小麦コンポーネントとはたんぱく質と思ってください。