乙字湯が原因と疑われた肺障害の2例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム40
食物アレルギー・薬物アレルギー―病態生理と治療5―薬物アレルギー―
座長:井上壽茂1), 森田栄伸2), 福田康二3)(住友病院小児科1), 島根大学医学部皮膚科学2), 枚方公済病院呼吸器内科3))

MS40-12.乙字湯が原因と疑われた肺障害の2例

田中良明 江島美保 棚井千春 野田裕道 臼井一裕 石原照夫
NTT東日本関東病院呼吸器科・肺外科


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【症例1】81歳 女性.11月21日直腸脱手術.

翌日から乙字湯内服開始.

12月25日悪寒出現.

12月26日38℃台の発熱.

12月29日息切れが出現,近医で低酸素血症を指摘され当院入院.

SpO2 96%(O2 6L/分),両側で吸気性crackles聴取.白血球,CRP,LDH,RF高値,血清補体価低下.

胸部単純写真で両側上肺野優位の浸潤影.

CTで気管支透瞭像を伴う汎小葉性陰影,小葉間隔壁肥厚,両側胸水がみられた.

抗菌療法に反応せず増悪.ステロイドパルス療法後,プレドニゾロン内服により改善.

【症例2】73歳 男性.2月20日痔瘻手術.

翌日から乙字湯内服開始.

3月21日乾性咳嗽出現.

3月25日37℃台の発熱,息切れが出現.

翌26日入院.

SpO2 86%(室内気),ラ音聴取せず.

白血球,CRP,LDH,肝胆道系酵素高値.胸部単純写真で両側下肺野優位のすりガラス影,網状影.

CTで両側S6中心に気管支血管束周囲に牽引性気管支拡張を伴う網状影,上中肺野に淡いすりガラス影がみられた.

ステロイドパルス療法後,プレドニゾロン内服により改善.

乙字湯に対するDLST陽性が判明.

【結論】両症例とも高齢者であり乙字湯内服開始後,約1ヶ月で発症し急速に呼吸不全に進行.

乙字湯による肺障害は既報例,本例とも高齢者に多く,いずれも発症後,急速に呼吸不全に進行している.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催


runより:漢方は安全・・・ではありません。

理解不能な現象は漢方薬の方も多かったりします。

ラ音とは肺からの雑音で肺炎の時の音と思って下さい。