自閉症と水銀の関係:シリーズ(1)12 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・⑤ 2003年6月、第61回JECFAにおいて、メチル水銀の曝露の結果として、神経発達が最も感受性の高い健康影響であり、子宮での発達段階が、神経発達毒性における最も影響の大きい時期であると判断し、暫定耐容週間摂取量を1.6μg/kg体重/週とした。
その算定方法は、以下のとおりである。

セイシェルとフェローの2つの対象の集団において、子供に有害な影響を及ぼさないとみなせる曝露を反映する母体の毛髪水銀濃度の推定値として、2つの研究の平均値、14mg/kgを使用した。

その毛髪水銀濃度を毛髪―血液濃度換算比(250:1)で血液濃度に換算した上で、定常状態のメチル水銀濃度を想定し、ワンコンパートメントモデルで摂取量1.5μg/kg体重/日に相当するとした上で、不確実係数として、トキシコキネティクス(3.2=100.5)×(毛髪―血液換算時の変動幅(2))の6.4を用いて、暫定耐容週間摂取量(PTWI)は、(1.5μg/kg体重/日×7)/6.4=1.6μg/kg体重/週と算定された。この際、ニュージーランドにおける研究では、1人の児の母親の毛髪水銀濃度が他のデータと大きく異なるため、これを含める場合と含めない場合での取り扱いが困難なため、耐容摂取量の算定の根拠としては採用していない。
心臓毒性に関しては、あるコホート調査で、毛髪水銀濃度が2mg/kg以上である場合には、急性心筋梗塞に罹患するリスクが2倍になることや、4年間の追跡調査ではアテローム動脈硬化疾患の増加との関連が報告されている。JECFAは、入手されたメチル水銀の心臓毒性に関する情報が現時点では確定的でないと判断し、さらなる調査の必要性を指摘した。
JECFAは、魚が栄養面でバランスのとれた食事の重要な構成部分であり、メチル水銀の濃度値の設定にあたって、公衆衛生上の決定をする場合には、このことが適切に考慮されるべきであると再確認した(第61回JECFA(2), WHO(3))。