食卓の向こう側・第8部 食育2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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むろん、こうした飲料自体は“毒”ではない。

飲ませる量や、飲みながら寝る習慣に問題があるのだ。
 赤ちゃんのためのやさしい飲料とうたい、ニプル(ゴム乳首)が取り付け可能なある飲料(糖分5%)のラベルには、小さな文字でこう記されている。
 「粉ミルクの調乳に使わないように」「寝る前にニプルで飲ませることや、だらだら飲みは虫歯の原因になることがある」
 だが、消費者は、そのただし書きよりも、人気タレントが一気に飲み干すCMの映像に目を奪われがちだ。

漠然と「体にいい」と思い込み、水代わりに与えてしまう
 保健師は嘆く。

「だけど、本当に怖いのは、健診にさえこない親子。そんな人たちにこそ、食育が必要なんだけど、私たちの声は届かない」

 1月、福岡市内の小学校で、一風変わった食育授業があった。

講師役の大手スナック菓子メーカー社員は、「おやつは量を決め、時間を守って食べよう」と呼びかけた。
 「スナックスクール」と題された授業のハイライトは、いつも食べているスナック菓子の計量作業。

1日に食べる量をはかりに載せるのだ。
 「70グラム」「80グラム」…。ところが、食べていい量として示されたのはわずかに35グラム。

全員から「うわ、少なーっ」と声が上がった。
 この企業は3年前から食育支援プログラムを始めた。

教師アンケートで、「子どもに薦めたくない食べ物」のトップとしてスナック菓子が挙げられたからだった。

他のおやつ(牛乳180ミリリットル)との兼ね合いで決めた「35グラム」は、商品としてはミニサイズの量。

「販売減になる」と営業担当の反対もあったが、食への意識が高まる中で先細りするよりは、「長く付き合ってもらう」方を選んだ。
 学校側は、「企業側に売りたいという思惑はあるかもしれない」と思う。

しかし、食育にかける予算がない中、無料の出前授業は魅力だ。

「基本法はできても、食育以外にやらなければならないことはいっぱいある。どうすればいいのか、道筋が見えてこないんです」
 無知、思い込み、戸惑い、そして企業の思惑…。昨夏、食育基本法が施行されて以来、ブームとなった「食育」。

だが、その前途は“五里霧中”だ。