食卓の向こう側・第8部 食育 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・食卓の向こう側・第8部 食育 その力<1>プロローグ 

何のための食育ですか 未来に待ち受けるもの
 「なんか違うよなあ」。

今年1月、東京・有楽町であった「第3回ニッポン食育フェア」の会場。

福岡県宗像市のフリー記者、森千鶴子さん(37)は、心に浮かんだ違和感を打ち消せないでいた。
 地元の食文化を見つめ直し、漁師料理を通じて都市住民と交流する活動「鐘崎ふれあい食堂・むなかたの食とくらし展」。

自ら手掛けた取り組みが、フェアの食育コンクールで特別賞に選ばれ参加した。

だが、85の食品メーカーや省庁・団体、民間非営利団体(NPO)が設けた展示ブースを見て驚いた。

子どもの料理教室、地域の伝統食、よい歯をつくる啓発活動などとともに、国内でその利用について論議が分かれている遺伝子組み換え大豆で作った納豆の試食など、食品関連企業、業界団体のPRコーナーも並んでいたのだ。
 農水省が提唱し、小泉純一郎首相や、猪口邦子内府特命担当大臣(食育)がイノシシ汁を試食するなどして盛り上げたフェア。

2日間で2万7000人の人出に事務局は「過去最高」と胸を張った。しかし、「まるでビジネスフェア。何のための食育なんだろ」。

森さんは、食育の今後に不安を抱いた。
 「まただ」。

2歳児健診で、前歯が溶けた幼児を見た鹿児島県の保健師(42)は、思わずため息をついた。
 問診の結果は、予想通り。母親は、いつも哺(ほ)乳(にゅう)瓶にスポーツ飲料を入れ、寝るときに飲ませているという。
 「ボトル・カリエス」。

甘い清涼飲料水やジュースが原因でできる虫歯のことを、歯科医の間ではこう呼ぶ。