化学物質過敏症の症状化学物質過敏症の症状には、決まった症状はなく、人それぞれに異なります。
症状は全身におよび、目・耳・鼻・口・のど・消化器・腎臓・泌尿器・呼吸器・循環器・皮膚などさまざまな箇所に多くの症状が起こります。
そして、体だけでなく精神・神経にも症状が起こり、手のふるえやうつ状態、不眠などの症状があります。
微量の化学物質にも反応化学物質過敏症を発症すると、化学物質過敏症を発症していない人ならばほとんど気付かないような微量の化学物質にも過剰なアレルギー反応を起こしてしまいます。
車の排気ガスやたばこの煙・消臭剤や漂白剤・芳香剤・マニキュア・ヘアスプレーなど、日常身の回りにあるようなものにも反応してしまいます。
例えば、市販されている洗濯洗剤(合成洗剤)には蛍光増白剤やゼオライトという化学物質が含まれています。
洗濯物を白くしたり、洗浄力を上げたりする効果がありますが、化学物質過敏症の人には、これらの化学物質によってアレルギー反応を起こしてしまいます。
さらに、化学物質過敏症を発症すると、水道から流れる水にも反応してしまいます。
水道水には塩素やトリハロメタンが含まれています。
飲用・調理用だけでなく、お風呂やシャワーでの使用にも反応してしまいます。
化学物質過敏症を発症すると、服はオーガニックコットンでなければ反応してしまう、食べ物は添加物や農薬が使われていない無農薬・無肥料野菜でなければ食べられない、化学物質が揮発しない家でなければ住めない…と化学物質がどんなものにも含まれている時代に、化学物質過敏症の患者さんは衣食住においても大変な思いをしています。
周囲の理解を得られない化学物質過敏症の認知度も少しずつ高まってきていますが、まだ理解を充分に得られているわけではありません。
病院では、化学物質過敏症を診断できる医師も少なく、心身症やうつ病、更年期障害などと診断され、適した治療を行えず悪化させてしまうケースも少なくありません。
また、近所や職場、学校での理解を得るのが困難です。隣の家の洗濯物から出る化学物質に悩む人や、たばこを吸った人や整髪料・香水を付けた人が通りかかるだけでもアレルギー反応を起こしてしまう人もいます。
目に見えない化学物質に反応してしまう病気があることを知らない人が多いのです。
シックハウス症候群と化学物質過敏症の違いとは?シックハウス症候群も化学物質過敏症も、化学物質に反応してアレルギー反応を起こしてしまう環境病ですが、シックハウス症候群は特定の化学物質に反応するのに対し、化学物質過敏症はあらゆる化学物質に過剰に反応してしまいます。
シックハウス症候群は原因となる建物内に入った時のみ症状が起こりますが、化学物質過敏症は化学物質であれば何でも反応してしまいます。
シックハウスが悪化すると化学物質過敏症を発症してしまう!?シックハウス症候群は化学物質過敏症の初期の段階と考えて良いでしょう。
シックハウスで限られた化学物質に反応していても、悪化してくると多くの化学物質に反応するようになり、いずれ微量であってもあらゆる化学物質に反応するようになってきてしまいます。
化学物質過敏症の人の多くが、シックハウス症候群が悪化して化学物質過敏症を発症しているとされています。