・(42)二酸化塩素
1 清涼飲料水に係る化学物質の食品健康影響評価
番号42 二酸化塩素(案)
二酸化塩素については、水溶液中で急速に加水分解され主要な分子種として亜塩素酸イオンを生成する。
WHO 飲料水水質ガイドライン第3 版では、亜塩素酸の暫定ガイドライン値が二酸化塩素の毒性に対し十分保護を与えるとして、ガイドライン値は設定されていない。
また、米国EPA の評価では、これまでに得られている情報から、亜塩素酸の毒性は二酸化塩素と同程度であるとしている。
食品安全委員会においては、食品添加物の亜塩素酸ナトリウムとして亜塩素酸イオンについて評価を行っており、平成16 年11 月18 日付け府食第1166号をもって亜塩素酸ナトリウムに係る食品健康影響評価の結果を通知している。評価結果としては、亜塩素酸ナトリウムのADI を亜塩素酸イオンとして 0.029mg/kg 体重/日と設定するとしている(参照1)。
また、清涼飲料水に係る化学物質の食品健康影響評価において、亜塩素酸イオンとしてTDI 0.029 mg/kg 体重/日と評価している。このことから、二酸化塩素の評価は、亜塩素酸イオンの評価として設定されたTDI を適用できると考えられる。
Ⅰ.評価対象物質の概要
1.用途
水の消毒及び臭味の制御、セルロース・紙パイプ・小麦粉・油の漂白剤、皮革の洗浄、日焼け落としに使用されている。
我が国においては、上下水処理に二酸化塩素を使用している実績はない。
なお、二酸化塩素を浄水処理に使用する場合の使用濃度については、通常1~2mg/L とされている。
ヒトに対する暴露は、二酸化塩素処理を行った水道水が主要な暴露源であると考えられる。
亜塩素酸は、二酸化塩素による消毒副生成物として生ずる(参照2)。