・《ホロトロピック医学 「歯科と医科の融合を目指して」 歯科医から見た歯と金属と身体の関係 小松 倫也》 より
歯科で使用される金属は、通常10から20種類くらいの金属を混ぜ合わせた合金となっています。
口腔内は、温度差や酸など過酷な状態の中で錆びたりせず、色が良い様に金属を溶かして加工し易いように、などいろんな特色を持たせ、商品ごとに成分が異なります。
ということは、口腔内に成分の異なる、いわゆる異種金属が生じることになります。
これら異種金属が口腔内に存在することにより、「ガルバニー電流」という微弱電流が生じるということは30年前の教科書にも載っているのですが、現在でもそれほど大きく、問題視されていません。
しかし、ガルバニー電流を計測する機器で実際に計測してみると700mVなど数百mVもの電圧が生じていることが分かりました。
驚いたことは、その電圧を放電器で放電させると口腔内と離れた部位である肩の痛みや手足の痛みがほとんど消失したり軽減したりする患者さんがいらっしゃるということです。
もちろんしばらくすると再び電圧が戻りますから疼痛も元に戻ります。
心電図で見られる心臓での起電力や筋肉の収縮時の起電力よりも一桁大きな電圧が口腔内に生じているということは身体にとってバランスを狂わすような働きがあってもおかしくはないと思います。
次に、合金になっている金属の成分についてです。
皆さんご存知のようにピアスや指輪など身体に金属が触れると金属に接触しているところだけでなく離れた部位に「かぶれ」などのアレルギー性の皮膚炎が生じる事があります。
歯科の金属に使用される金属は、10から20種類の合金になった金属が使用されていますが口腔内の唾液などの腐食作用により溶出した金属イオンは蛋白と結合して「異種タンパク」(金属ハブテンアレルゲンと言います)である抗原となり局所的ならびに全身的なアレルギー症状を引き起こす場合があります。
歯科用の金属にはこれらの金属も使用されているのです。