・(出典:NIKKEI BP)
・“乳酸菌(Lactic acid bacteria)”とは、乳酸を多量に作る細菌群の総称で、乳酸菌という名前の菌が分類学上存在するわけではありません。
乳酸菌には、ラクトバチルス(乳酸桿菌属)、ラクトコッカス(乳酸球菌属)、ストレプトコッカス(レンサ球菌属)、ペディオコッカス属などが含まれます。
なお、ビフィズス菌は、乳酸菌の定義にある「消費したブドウ糖に対し、乳酸の産生量が50%以上」を満たさないため、厳密には乳酸菌とは呼べませんが、乳酸菌の仲間に入れられることもあります。
人の腸内には、数百種類、数にして100兆個にも及ぶ細菌がすみついています。
これらの腸内細菌は、体によい働きをする“善玉菌”と、体に害をもたらす“悪玉菌”に大きく分けられます。
大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌は、腸内で腐敗物質を作りだしたり、有害物質を発生させます。
また、悪玉菌が増えるとたんぱく質の分解が不十分になり、血液が汚れ、さまざまな病気の原因にもなります。
“善玉菌”の一種である乳酸菌は、こうした体に悪い働きをする“悪玉菌”を減らして、腸内環境を整えてくれます。
また最近は、整腸作用のほかにも、免疫バランスを整えてアレルギーになりにくい体質をつくる、病原菌やがん細胞を攻撃する免疫力を高める、口の中の悪玉菌をやっつけて歯周病や虫歯を予防する、胃潰瘍や胃がんの原因とされるピロリ菌を減らす――といった効果があることも報告されています。
なお、乳酸菌と一口にいってもいろいろな種類がありますが、それぞれの菌株によって、健康効果の中でも得意分野は違うようです。
各メーカーからは、いろいろな種類の乳酸菌食品や乳酸菌製剤が発売されていますので、特定保健用食品のマークや成分表示などを参考に、気になる症状や目的に応じて、自分に合ったものを探してみるのもよいでしょう。