・でも過敏症に関しては、まだ国際的なコンセンサスがなく治療法もほとんどないと言っていい。
WHOの「電磁波プロジェクト」の専門家たちも、過敏症に関してははっきりとした意見はさけるほどです。
私は日本でもお医者さんや一部の大学で電磁波過敏症の情報を集めていたのですけど、なかなかはっきりとした意見が出てこない。
この病気に関してはまだ研究者たちが及び腰、という印象がありました。
なのに、私達のところへは過敏症の人たちからの相談が絶えず、年々増加しているんです。
ほとんどの人たちが医療機関でノイローゼ扱いされて、まともに治療が受けられない。
これはどうにかしなくてはいけないと強く思いました。
そこで、電磁波過敏症の最先端の治療をしているアメリカのダラス環境医学治療センターへ直接出向いて、 その治療法を調査しようと思ったんです。
ダラス環境医学治療センターでは、電磁波過敏症の患者さんたちはどのような診察を受けているんですか?
まずは患者の過去の病歴や体質をすべて洗い出すことから始まります。
具体的には尿・便検査や血液、血管、甲状腺と腎臓、免疫や抗体、栄養状態、肺機能、抗体抗原 複合測定などのあらゆる身体検査を行います。
また、花粉やかび、食べ物や化学物質 に関する過敏症かどうかなどの皮膚検査、メンタル面などのチェックなども重要な検査になっていました。
これだけの検査が必要なのは、このセンターでは「人は一人ひとり違う」という観点から治療を行うからです。
過敏症は何が引き金となるのかは人によって違います。
同じ電磁波過敏症でも、ちょっとした周波数の違いで発症するしないに個人差があったり、他の化学物質が複合的に関係して症状を起こしていることがあります。
それをすべて把握した上で、その人それぞれの治療プログラムが組まれているのです。
それがこのセンターの一番の特徴でもありましたね。
残念ながら「3時間待ち3分診察」である日本では、あたりまえのようでできていない医療の姿勢ですよね。