★がれき中の塩ビ製品の分別処理を
津波をかぶった可燃物の「塩害」が課題ではありません。津波がれき処理に当たり可燃物として扱われるがれきの中の塩素含有の合成樹脂、中でも上下水道配管、屋内配線被覆材、床・壁装材等に多く使われている塩ビを分別して、適切に処理することががれき燃焼による有害物質「塩化水素」発生を抑制するための第1の課題です。
「解決策は見えていない」のではありません。
貴紙の記事「津波がれき難敵」は、このままでは被災地のがれき処理担当者だけでなくがれき処理業界や多くの読者を惑わすものです。
4月30日記事「津波がれき難敵」を紙面において訂正されることを申し入れます。
解説:食塩や活性白土の単独又は混合物の加熱による塩化水素の発生実験結果(抄)
(植村:日本環境学会第28回研究発表会予稿集;2002年6月)
【実験方法】試料1g(塩ビは0.1g)を石英製加熱装置にいれ、空気流下、300℃で30分加熱し、発生する塩化水素を苛性ソーダ吸収液でトラップし、発生塩化水素量の指標として吸収液中の塩素イオン濃度を測定し、塩素回収率を求めた。
【実験結果】図に示したように、塩素イオン即ち塩化水素が、最も多く生成するのは、塩ビを単独加熱した場合、ついで、食塩+活性白土+水分であり、食塩単独又は食塩+乾燥活性白土では塩化水素の生成は認められなかった。
【考察】食塩からの塩化水素は、イオン交換作用のある活性白土と水の存在下での化学反応により生成する。
一方、塩ビは、加熱しただけで、塩化水素を生成する。
このことは、低温での野焼きによって発生する塩化水素の由来の多くは、塩ビであり、塩ビ製品を震災ガレキから分別除去することが肝要であることを意味する。
runより:また化学物質過敏症患者には苦しい記事になりました。
化学物質は少しでもいいから減らそうと考えてほしいです。