日本のトンボを消す“浸透性農薬”2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・グラフ1は、上記の環境省トンボ研究者の一人である上田哲氏(赤とんぼネットワーク)が会員のアンケートより、いつ頃からアキアカネが減少したと思うかという質問への答えである。

浸透性農薬の脅威
 浸透性農薬の問題については、本ニュースレター(57、58、59号)でその存在についてふれてきた。英語ではSystemic pesticide だが、Systemic とは浸透移行性、全身性を示す。

それは農薬が根から吸収されると作物の葉や茎、花などあらゆる部位まで毒が染みわたり、どこを食べても昆虫が死ぬという意味の浸透性である。
 これまでの殺虫剤は、散布により農薬が葉などの表面に付着するが、雨などで少しずつ落ちてしまっていた。

だが、浸透性農薬はひとたび作物全体に内部から染みわたってしまえば、影響は長時間持続する。
その代表格は日本で登録されている8種類のネオニコチノイド農薬であるが、フィプロニルも、有機リン系のアセフェートもまた浸透性農薬である。

比較的分解しやすく環境負荷が少ないといわれているが、分解速度は条件によって大きく異なるため、実際は環境中に流出している。
フィプロニルは96年からの10年間で日本国内出荷量(有効成分)は10倍に増加し、ペットのノミ・ダニ駆除だけでなく我々の日常生活にも浸透し始めている。
 そして、見過ごせないのがこれら農薬の代謝産物の問題である。有機リン系の浸透性農薬アセフェートは、体内で代謝されると猛毒メタミト゚ ホスに変化することがある。

フィプニルもまた、その代謝産物の毒性が特に強く、哺乳動物の脳や肝臓、脾臓などで検出されるという報告があり、人への毒性も懸念される(注1)。

このように代謝産物の毒性が強い農薬を、いつまでも野放しにしておいてよいのだろうか。