・薬物吸収 absorption
典拠: PharmacologyLippincott [18, p.4] ,典拠: NEW薬理学3版 [77, p.22]
吸収の要件
吸収されるためには細胞膜と親和性を持つ必要がある。
そのために薬物の多くは極性を持ち、脂溶性が高いという性質をもつ。
pH分解仮説
pH と薬物の脂溶性の関係についての説である。
弱酸性の薬物の場合
(1.1)
したがって酸性下では電荷を持たなくなるので、生体膜を通過しやすくなる。
弱塩基性の薬物の場合
(1.2)
したがって塩基性下では電荷を持たなくなるので、生体膜を通過しやすくなる。
薬物吸収に影響する因子
溶解度 solubility
一般に脂溶性ほど生体膜を通過しやすい。
投与量 dosage
投与経路 route of administration
経口投与 alimentary routes
消化管を介した経路である。安全性が高いが、肝臓での初回通過効果 first-pass effect が不可避である。
parenteral routes
静注や筋注など、消化管を介さない経路をいう。
皮下注射 subcutaneuous injection
吸収がよく、肝臓での初回通過効果を受けない。
筋注
筋肉は血流量が豊富なので皮下注射よりもさらに吸収がよい。
静注
全投与量が全身循環系に注ぐので、早期にかつ強力に薬物の効果が現れる。
原則として bioavailability は 1.0 となる。
runより:簡単に言いますと経口投与<皮下注射<筋注 <静注の順で薬の効果が出やすいという事です。