・がん死の55%を占める消化器がん。食習慣の改善が予防の決め手。
①栄養バランスのとれた食事を
②高塩分や熱い飲食物は最小限に
③動物性脂肪をとりすぎない
④野菜や果物を毎日豊富にとる
あらゆる部位のがんを防ぐには栄養バランスと適量の食事が重要
がんで亡くなる日本人の55%が消化器がんによるもの。
最も食べ物と関わりの探いがんで、食道、胃、大腸 (結腸と直腸)、肝臓、胆のう、すい臓などに発症します。
なかでも多いのが冒がんと大腸がんですが、消化器がんに共通するがん予防の食事法としては、細かいことにこだわりすぎず、がんを寄せつけない食事の基本をきちんと身につけることです。
その第一は、栄養バランスのとれた食事です。
結果的にいろいろな食品をとることにつながり、発がんを抑える働きのあるビタミンA(β1カロテンも体内では同じ働き)・C・Eや食物繊維などをとることができます。また、動物性脂肪のとりすぎを抑えることにもつながります。
がんを予防するには、塩分や脂肪のとりすぎなど、がんの原因となる食習慣を改善することが第一、次に、がんの発生や進行を抑える効果のある食品をとることです。
食べすぎと運動不足は、肥満の元凶。動物性脂肪のとりすぎにもつながります。
ただし、やせすぎでも日本人の場合、がんで亡くなるケースもあります。
塩分のとりすぎ、アルコール飲料の飲みすぎ、熱い飲食物やカビ、焦げた食べ物を習慣的にとるのも問題です。
お酒は、日本酒なら2日に1合程度が最もリスクが少なく、それ以上だと量とともにリスクが徐々に高くなるとされています。
抗酸化・発がん抑制作用のある野菜と果物を毎日豊富にとる
消化器系のがんで近年目立つのは、臓がん、大腸がんの増加で、患者数、亡者数とも増えています。
背景には、食死肝生活の欧米化による脂肪摂取量の増加、食物繊維摂取量の減少、運動不足などが指摘されています。
かつて日本人に多かった冒がんによる死亡者は年々減ってきましたが、患者数はそれほど減っていません。
これらのがんの発生や進行を抑える効果のある食品として注目されているのが野菜やきのこ、果物などの植物性の食品。
抗酸化作用や発がん抑制作用、免疫力アップなどの働きが期待されています。
ただし、その科学的根拠の立証は難しく、「確実」 「可能性あり」などと分けられているように、がん予防効果がはっきりしないものもたくさんあります。
特定の野菜や果物だけに頼るのではなく、いろんなものをバランスよくとり、トータルでがん予防効果を期待するのが賢明です。