・■朝日6月21日 売れ筋は化粧品・消臭剤・補修用具 被災地商品 再建シフト
東日本大震災から100日余り、被災地での売れ筋商品が変わってきた。
生活再建へ向けて、日用品や収納品を一からそろえ直したり、家屋を修理しようとしたりする動きが目立つ。
岩手、宮城県を中心に店舗を展開するドラッグストア薬王堂(岩手県矢巾町)は、全129店のうち沿岸部の11店が壊減的被害を受けた。
仮設店舗を3カ所設けて営業を再開した。店舗数は減ったが亮上高は3月以降、前年を上回っている。
同杜を含む被災地の店舗では震災直後、水やカップ麺、乾電池など生き延びるために必要な品が売り切れた。
ここに来て売り上げを伸ばしているのが身の回りの品だ。
仮設や賃貸の住宅に入った被災者が、津波で失った生活用品を買いそろえており、キッチンやトイレ周り用品や洗剤のほか、化粧品、ブラシ、鏡などが売れている。
また、沿岸部では腐った魚やヘドロの悪臭が強く、消臭剤や芳香剤を求める人も多い。
虫が大量に発生しているため、ハエ取り用品や殺虫剤も売れている。
福島県内を中心に店舗を構えるホームセンター、ダイエーエイト(福島市)では家屋のひび割れなどに詰めるシーリング剤などが前年の4倍以上売れている。
木材や金具、塗料の売れ行きも好調で、自宅の修理に使う人が多い。
衣料品などを収納するプラスチックケースやメタルラックも6月に入って前年比で2~3倍売れているという。
同社は「被災者が一日も早く暮らしを立て直せるよう、ニーズにきめ細やかに対応したい」と話す。
収納用品製造の大手、アイリスオーヤマ(仙台市)は「食料品や調味料を貯蔵するために収納用品の需要が増える」とみて、商品を東北へ優先的に供給した。
ここ数週間は衣料品や小物など身の回り品に関連するものの売れ行きが好調で、フル生産を続けているという。
(角田要)