便秘の種類4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・Q2.18 過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)とはどのような病気ですか

 この疾患は、消化器疾患の中でもストレス関連性の疾患です。

すなわち腸の活動を制御している自律神経が不安定になって起きる消化器の不調です。

たびたびトイレに行きたくなるほか、便秘と下痢を繰り返して、腹痛を伴う症状を呈します。

かつて神経性下痢といわれたものは、下痢型の過敏性腸症候群です。
 過敏性腸症候群の原因である自律神経の乱れのもとになるのは、精神的ストレスが大きく、他には不規則な食生活や排便習慣、下剤の乱用、過労により誘因されることもあります。

過敏性腸症候群は、ビジネスマンに多く、ある意味では社会的現代病の一種とも言えます。
 このような過敏性腸症候群については従来よりさまざまな診断基準が提唱されてきましたが、国際的にはThompsonらのRomeの基準がもっとも汎用されております。
 平塚胃腸病院で診察した典型的な過敏性腸症候群の症例を紹介します。

この症例は、都内に住む30歳代の会社員で、目覚めるとまずトイレに行き、朝食後に1回、さらにいざ出勤という間際にもう一度と、家を出るまでに最低3回はトイレに入るということです。

その後通勤電車に乗ってからがまた大変で、停車のたびに降りてトイレに行き、毎日このような通勤風景の繰り返しといった症状を訴える症例です。

この症例は、器質性の疾患がないかを調べる「除外診断」を受け、その結果、異常はなく、ストレスが排便障害を引き起こしている可能性が高いと診断されました。

その後、カウンセリングなどの心療内科的な治療を受け、回復しています。


過敏性腸症候群の診断基準(Thompson et al ; Romeの基準)


少なくとも3カ月間繰り返す下記症状(1および2)
1) 腹痛あるいは腹部不快感が下記のいずれかの特徴を持つ
 a.排便によって軽快する
 b.排便頻度の変化を伴う
 c.便性状の変化を伴う

2) 下記a~eの少なくとも2つ以上の症状が有症状期の少なくとも25%以上を占める
 a.便通の異常*
 b.便性状の変調(兎糞状便/硬便、軟便/水様便)
 c.便排出の変調(残便感、便意切迫、排便困難)
 d.粘液の排出
 e.腹部膨満感

* : 研究上は便通異常を次のように定義する
   排便回数>3回/日 あるいは 排便回数<3回/週