・Q2.11 婦人病による便秘とはどのような便秘ですか
子宮筋腫や卵巣嚢腫などが大きくなると、腸を圧迫して便秘をもたらすことがあります。
本来、子宮の内側にある内膜が子宮の外で増殖して起こる子宮内膜症では、出血を繰り返していくうちに癒着を起こし、便秘を引き起こすことがあります。
Q2.12 痔による便秘とはどのような便秘ですか
痔には、いぼ痔、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)などがありますが、いずれも激しい痛みを伴うことから、排便をがまんして便秘になることがあります。
その結果、便が硬くなり、排便する際、痔の部分を傷つけ、ますます排便をがまんして悪循環を起こし、便秘を益々悪化させることになります。
また、便秘気味で便が硬いことが続くと、排便の際、常に強くいきむようになり、肛門近くの静脈がうっ血したり、肛門の粘膜が切れて出血し、これが繰り返されると痔を引き起こすことにもなります。
まず、十分な水分を取って、正常な便(バナナ状の便で、水分量が70~80%程度)になるように心がけてください。
Q2.13 一過性便秘とはどのような便秘ですか
食生活や、生活環境、精神的要因等の原因によって起こる、急性かつ一過性の便秘です。
例えば、ダイエットを始めて急激に食事量が減ったり、水分摂取が減ったり、女性の場合は、妊娠したり、月経の前に発症する便秘です。
この場合には、便秘そのものによる苦痛はほとんど伴わず、また、原因となることが解消されれば自然に治ります。
Q2.15 直腸性便秘とはどのような便秘ですか
糞便が直腸内に送られても正常な排便反射が起こらず、直腸内に糞便が停滞する便秘です。
便意を抑制する習慣の人や浣腸の乱用によって直腸粘膜の神経が鈍った人に多く見られます。
例えば家のトイレでなくてはだめだとか、外のトイレは汚いとか、あるいは、外での排便はいやだとか、朝忙しいので、便意を我慢したなど、便意を我慢して抑えることをきっかけとして排便反射が鈍ってくるために起こる便秘です。
直腸性便秘の場合、糞便は硬固となり、断片状に排泄し残便感を訴えます。高齢者の場合は、しばしば結腸性便秘と合併して頑固な便秘となります。