なぜ「脱原発」か4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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(5)エネルギー利用のメリットを得る者と危険性を引き受ける者とが、地域的あるいは世代的に不公平である。


 エネルギー利用のメリット自体、核燃料サイクルなどをふくめたトータルなエネルギー収支がプラスとなるかどうか疑問であるし、仮に同地域・同世代であっても危険性と均衡がとれるとはそもそも思えないが、それにしても放射能の危険は原発の地元に、発生した電気は大消費地にというのは、いかにもつり合いがとれない。

また、電気というメリットを享受しえない将来の世代に「負の遺産」だけが回されることも不合理に過ぎるだろう。


 (6)プルトニウムを本格的に利用しようとすれば世界中をプルトニウムが動きまわる事態となり、核拡散、事故の危険性を大きくする。

他方、現実にはその蓋然性が高いようにプルトニウムが本格的に利用できないとすれば、ウランの資源量は石油と比べてすらはるかに小さく、原子力利用の抱える問題の大きさにまったく見合わない。


 日本では、プルトニウムをふつうの原発で燃やす「プルサーマル」が行なわれようとしている。

プルトニウム利用の本命は高速増殖炉だったのだが、技術的な困難とコストの膨大さから高速増殖炉の開発は、世界のどこでも頓挫した。

そこで余ったプルトニウムを燃やすために行なわれるのが、プルサーマルだ。

 プルトニウムを利用しようとすれば、再処理工場でプルトニウムが取り出され、燃料加工工場に運ばれ、燃料がつくられて原発に運ばれてくる。

プルトニウムが大量に扱われるほど、管理の網の目からこぼれ落ちる量は大きくなり、プルトニウムが動きまわるほど核ジャックの機会は増す。

 図2(割愛)は、世界のエネルギー資源の確認埋蔵量だ。

電気事業連合会の『コンセンサス』というPRパンフレットから引用したもので、数字は必ずしも信用のおけるものではない。

確認埋蔵量などというのは、取り出す技術の進歩と、どれだけお金をかけられるかで、いくらでも変わってくる。

それでも、高速増殖炉でウランを六〇倍に有効利用するという《夢》がダメとなれば、天然ウランをただ使い捨てるだけとなり、ウランの資源の量は石油よりもはるかに少ないことがわかるだろう。

たいへんな無理をして、大金ををかける理由はまったくない。