・放射線って何ですか?
回答者: 原子力資料情報室 掲載日時: 08-May-2007 16:19 原子核が安定した状態になるために放出するエネルギーです。
被曝の危険性で問題になる放射線として、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線などがあります。
これらは電離放射線といわれ、人体の化学結合に関係している原子や分子を電離する(電子をはじき出してイオンをつくる)ことによって、人体に悪影響を与えます。
(渡辺美紀子)
放射線を浴びると体の中でどのようなことが起きるのでしょうか?
回答者: 原子力資料情報室 掲載日時: 08-May-2007 16:23 私たちの体は、約60兆の細胞からできています。
細胞は体を構成する基本単位で、体の中には生殖細胞やさまざまな体細胞があります。
細胞にはそれぞれ細胞核があり、その中には遺伝情報をもったDNA(デオキシリボ核酸)が含まれています。
DNAは多くの原子が結合した大きな分子です。
細胞の中の水やDNAに放射線のエネルギーが与えられることによってさまざまな影響が出てくるのです。
エネルギーを受け取った分子は活発な状態になり、電子が飛び出してしまったりします。
電子を失った分子を電離分子といいますが、放射線の影響の多くは、この電離分子による複雑な化学反応の結果、引き起こされます。
人間が短時間に全身に放射線を浴びたときの致死量は6シーベルト。短時間に1シーベルト以上浴びると吐き気、だるさ、血液の異常、消化器官の障害などがあらわれ、死ぬ人もいます。
しかし、250ミリシーベルト以下になると、血液にも急性の変化は見つけることができず、目に見える変化は何もありません。
でも、体の中では着実な変化が起こっているのです。
(渡辺美紀子)
微量の放射線も危険なんですか?パンフレットには、一度に大量に浴びないかぎり心配ない、とありましたが。
回答者: 原子力資料情報室 掲載日時: 08-May-2007 16:24 弱い放射線でもがんや突然変異を引き起こすことがあります。
これが放射線のおそろしいところです。
細胞の中のDNAが電離分子の影響を受けて、遺伝情報のテープが切れたり、情報中の一文字がちがったりすると、生物にとって損傷になることがあります。
きずを受けた細胞がすぐに死んでしまえばそれほど問題にはなりません(大量の放射線を浴びて細胞が大量死した場合は別)が、その細胞がきずをもったままだと、まちがった情報がそのままコピーされ続け、大きなダメージとなるのです。
人間のDNAは、一細胞あたり約10億個の文字からできていると言われています。そして、その中のたった一文字が変化しただけで、細胞ががん化する場合があります。
一本の放射線によって細胞ががん化して止めどもなく増えはじめるのです。
免疫機構がしっかりしているときは問題は起こらないのですが、免疫機能が低下したり、がん細胞がたくさんできたときには、体は防ぎきれなくなって、がん細胞に負けてしまうのです。
(渡辺美紀子)
runより:放射線は確かに怖い物です。
とても簡単に言うと細胞を壊すビームだと思ってください。
問題は壊された後に起こります、再生する時に遺伝子情報を間違えた細胞が出来て増えていきます。
つまり悪性腫瘍、ガンです。
逆に言えばそこまでいかない量なら恐れる必要は無いでもあります。