ナノ銀2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3.懸念される問題
3.1環境中に放出されて微生物を殺し生態系機能をかく乱する

 殺菌・抗菌・防臭剤として使用されるナノ銀は排水系を通じて、あるいは固体廃棄物の焼却や埋め立てを通じて、環境中に放出されます。

環境中に放出されたナノ銀は環境中の微生物を殺して生態系機能をかく乱することが懸念されています。

後述する2006年のアメリカにおけるサムソンの銀ナノ抗菌洗濯機の議論も洗濯機から排出される銀ナノが環境中の微生物へ及ぼす悪影響の懸念に基づくものでした。
 アリゾナ州立大学の研究者らはナノ銀処理されたソックスから洗い流されたナノ銀が排水路に流れ込んだ後、排水処理プロセスで生成されるバイオ固形物(主に肥料として使われる)に蓄積することを示しました。

ソックスのあるものは2~4回の洗濯後、ナノ銀の多くが無くなっており、環境中に排出されていました。

3.2 ナノ銀のヒト健康影響

 ナノ銀は広範な製品中で利用されており、バクテリアへの細胞毒性に関する多くの研究があるにも関わらず、ナノ銀のヒト健康に対する研究はほとんどありません。
 特殊な用途として、微小な銀成分を溶液中に浮遊させたコロイド状銀が肉や乳製品、補助食品中に使われており、ヒト健康への影響が懸念されています。
 国立栄養研究所の安全情報・被害関連情報2007年9月12日は「カナダ保健省がコロイド状銀製品に注意喚起」を紹介しています。

Colloidal Silver Water 20ppmというコロイド状銀で、カナダでは認可されていないが、感染症の予防・治療に用いられるとして、経口や眼、耳、鼻もしくは皮膚への使用を広告しており、インターネット等で販売されている。

1日許容量を超える銀を摂取する可能性、及び長期に飲用すると体内に銀が蓄積し、皮膚や眼、爪が薄青い銀色に変色する、全身性の銀症が起こるなどの可能性がある-としています。
 地球の友の2009年6月報告書は、2008年12月、欧州食品安全委員会(EFSA)は、補助食品中で使用されているナノ銀水溶液の安全性を決定するためには証拠が不十分であると決定したとしています。

3.3 銀に対するバクテリア耐性

 抗生物質についてはすでにバクテリア耐性が広がっていることはよく知られています。

銀やナノ銀についても消費者の安全志向に乗じて、抗菌剤として膨大な消費者製品中で使用されているために、銀やナノ銀に対するバクテリア耐性が広がることについて懸念されています。

不必要な用途にまで大量に使用されて、本当に必要とする医療分野での殺菌効果が得られなくなる恐れがあります。