・タイルカーペットから発生する化学物質
東京都消費生活総合センター
1.目的
住宅内には様々な化学物質が含まれている建材や日用品がある。近年、住宅の気密性が向上したことと相まって都のセンターには化学物質により健康被害を受けたという相談が寄せられている。
カーペット類もその一つであり、平成10年度以降の相談件数は8件となっている。
そこで、カーペット類の中で、消費者が自分で手軽に敷きつめることができるタイルカーペットについて、製品から揮発する化学物質を調査し、事故防止のための情報として消費者へ提供することとする。
2.テスト品
市販されているタイルカーペット14銘柄。購入品は別表のとおり。
3.テスト対象物質
厚生労働省の室内濃度指針値が定められている化学物質を対象に調査することとし、どのような成分の揮発量が多いのかテストしたところ、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの揮発量が比較的多かった。
これらの化学物質は、接着剤成分として使用されているものである。
接着剤成分として広く使用されているものには、これらの化学物質以外にホルムアルデヒド、アセトアルデヒドがあるため、併せて5物質を調査することとした。
4.テスト方法
(1) タイルカーペットから揮発するトルエン、キシレン、エチルベンゼンの揮発量の測定(ヘッドスペース法による:資料1)20ml サンプルバイアルにサンプル(4.5cm × 1.0cm)を入れ、80 ℃で30 分間加熱後にガスクロマトグラフ/質量分析計により揮発する化学物質の揮発量を測定した。
(2) タイルカーペットから揮発する化学物質の放散速度の測定(小形チャンバー法による:資料
2)
上記ヘッドスペース法による測定で揮発量が最も多かったタイルカーペットについて、5物質(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)の放散速度の経時変化(28日間)を小形チャンバー法(JIS A1901)により測定した。