・4.日本のナノ環境修復はどうか
4.1ナノ環境修復技術の研究
日本における汚染土壌・汚染地下水の修復へのナノ技術利用については、文部省の科学技術基本計画や国立環境研究所の環境技術ライブラリーを見る限り、具体的な研究や実施計画についての記述はありません。
しかし民間企業による「ナノ鉄粒子スラリーの原位置注入工法によるVOCs浄化事例」、「原位置土壌浄化のためのナノスケール鉄複合粒子スラリーの注入実験」の発表などがあり、実際にはこの分野の研究開発は、着々と行われていることが想像されます。
4.2 法的側面
土壌汚染や水質汚濁の基準は、環境基本法第16条第1項に基づき、特定の汚染物質の基準値が設けられています。
土壌汚染対策法や水質汚濁防止法には、「汚染の除去等の措置命令」や「汚染除去等の研究の推進」の条項はありますが、汚染技術を規定する条項はありません。
したがって、今後ナノ技術利用の汚染修復方法が研究され実用化されようとした時に、そのようなナノ利用技術の規制をする新たな法が必要になると考えられます。
5.ナノテクノロジー利用の環境修復に関する当研究会の意見
環境中にナノ粒子を放出することによる潜在的な有害環境影響を防ぐために、ヒト及び全生態系へ及ぼす有害影響の研究が十分になされ、安全性が確認されるまで、環境中へのナノ粒子放出を伴う環境修復は実施すべきではないと考えます。
runより:最近ナノテクノロジーを謳った商品を見ないと思いませんか?
メーカーもナノテクを前面に出さない様にCMしてるんです。
実際には使われているナノテク・・・消費者に告知すべきなんですが・・・