ナノの話(3) 労働者の安全確保2 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・3.ヒトに対する有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する検討会報告書(2008年11月26日)の概要(引用部は""で示す)

3.1 ばく露防止対策の検討の視点、範囲等
(1) 予防的アプローチ
 "ナノマテリアルについては、いわゆる許容濃度等のばく露管理の目安となる数値が存在しないため、ばく露量やばく露濃度に基づいて管理を行うという従来の手法を採用することができない。したがって「予防的アプローチ」に基づいて対策を検討する。"
(2) ナノマテリアル全般へのアプローチ
 "ナノマテリアル毎の有害性も明確になっていないことから、ナノマテリアルの当面のばく露防止対策としては、個別の物質毎に固有の対策を検討するのではなく、ナノマテリアル全般に対するばく露防止対策について検討することとした。"
(3) 対象とするナノマテリアル
 自然界には人工的に製造されたもの以外にも様々なナノサイズの物質が存在しているが、現在、このような物質による労働衛生上の懸念は生じていないことから、自然界に存在するナノレベルのサイズの物質は対象外として差し支えないと判断する。また、通常の製造等の過程で非意図的にナノサイズの物質が発生する可能性はあるが、これについても、現在、労働衛生上の懸念は生じていないことから、対策の対象外として差し支えないと判断する。"
(4) 対象とするナノマテリアルのサイズ
 "対策の対象とするナノマテリアルの大きさについては、2008年2月7日の通知では上限のみを定義しているが、諸外国では大きさの下限として1nmと定めている場合が多いこと、下限を定めない場合は原子まで対象となってしまうことから、現行の定義を、「大きさを示す3次元のうち少なくとも一つの次元が約1nm~100nmであるナノ物質及びナノ物質により構成されるナノ構造体(内部にナノスケールの構造を持つ物体、ナノ物質の凝集したものを含む。)であること」とすることが適切である。" "凝集したナノ構造体の大きさが100nmを超えていても、それを構成する内部のナノ物質の大きさが100nmより小さい場合には、対象に含めることが適切である。"
(5) 対象とする労働者
 "ナノマテリアルを製造し、又は取り扱う作業に加えナノマテリアルを含む製品の廃棄やリサイクル作業に従事する労働者等も対象とすることが適切である"。
(6)ナノマテリアルの想定する暴露経路
 ・吸入による肺等の呼吸器へのばく露
 ・鼻腔の神経末端からの体内への侵入
 ・皮膚を通しての体内への侵入
 ・目の粘膜からの体内への侵入
 ・経口摂取による体内への侵入
(7)ナノマテリアルに関する製造・取扱作業に該当する作業の例
 ・製造
 ・荷受け
 ・原材料や製品の秤量
 ・装置への投入(樹脂等との混練や原材料の投入等)
 ・製造・加工装置からの回収、容器等の移し替え
 ・装置や容器の清掃 ・メンテナンス
 ・その他(ナノマテリアル含有製品の廃棄、リサイクル等)
(8) 暴露の可能性
 "ナノマテリアルが液体中に分散した状態であり、かつ、液体の蒸発等に伴い大気中に放出される可能性を抑えた場合や、樹脂等に練り込まれ、バルク材料に固定化された状態では、その取扱いにおけるばく露の可能性は極めて小さくなるものと考えられる。逆に、粉体の取扱いの場合は、ばく露の可能性は高くなると考えられる。"