・大島 7、8年前からこの問題を書いている。
その後、建築基準法の改正などがあり、2003年頃これで解決の道筋がついたかなと思っていた。
ところが、この数年間で、以前記事に書いたことが再び起きている。
例えば、市の職員数人が一度にシックハウス症候群、CSになった。
公務災害申請をしたが、却下されて訴訟に至ることになった。
最近、労災、公務災害の壁がとても厚い。
大阪府内の保健所の3割が「住宅地等における農薬使用について」通知に反して、害虫の生息調査を行わずに農薬散布、周囲への事前通知も4割以上がしていなかった。
このことがわかってから、大阪府等が研修や文書を出すなどの動きが出てきた。
一番身近な所から取り組むのが大切。
健康被害が出ないシステムが出来ていない現時点では、繰り返してやっていくしかないし、そこから動く可能性があると思う。
労災認定において、シックハウス症候群はある程度認定されるが、CSになり深刻な状態に陥ると認定されないという逆転現象が起きている。
今回の病名登録は、その突破口になるかもしれない。
槌田 20年ほど前、大学院で農薬空中散布後の大気汚染調査をしていた。
風下では風邪に似た症状の人々が出ていて、風上には出ていないことも分かった。
CSの人は人口の3%近くいるとすると、地域のアンケート調査などを丹念にやれば、沢山の人が苦しんでいる実態が明らかになると思う。
今回の病名登録はCSという名前をもっと使えるようになると嬉しく思う。
体に入る量は、食べ物は水を含み1日2キロくらい。空気は安静時で14キロ、活動時は20キロ~30キロにもなる。
化学物質は食べ物から摂取する量よりも、空気からのほうがよほど多い。
また、食べ物での摂取は腸で吸収した後、肝臓で解毒されて血液に入る。
肺からの摂取は直接血液に入って全身に回る。
空気中の汚染をどうやって減らしていくかということは、ひじょうに大事なことだ。
そのために、CSをもっと知ってもらうことが必要だと思う。