・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・第2部 パネルディスカッション
パネリスト(敬称略): 石川 哲、宮田幹夫、小沢祐子(発症者)、滝ヶ崎照子(発症者)、大島秀利(毎日新聞大阪本社編集委員)、槌田 博(化学物質アドバイザー)
コーディネーター: 村田知章(実行委員)
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◆パネルディスカッションでの発言から
現状について
宮田 保険診療は県単位の保険審査委員会で認めるかどうかが審査される。検査やビタミンC、グルタチオン、葉酸などがどこまで認められるかはこれからのこと。
小沢 今年の3月に化学物質過敏症の小1の女子が交通事故に遭った際、医師が造影剤での検査を主張したのに対して、母親がCSだからエコー検査で問題がなければやめてほしいと伝えたところ、急に怒り出した。
結局、連れて帰るように言われ、自宅で療養。38日後、別の病院のMRI検査で脳挫傷等の診断。最近になってやっと、学校に通えるようになった。
この間、2公立病院、3私立医療機関を受診したが、いずれの医師もCSを認識していなかった。
現在、CS患者が不適切な対応を受けないよう、病院側との話し合いを模索している。
今夏、家族のために賃貸マンションを探した。居住者が退去すると壁紙、クッションフロア張替え、薬剤による清掃、殺虫剤散布をする。
古い建物でも、建築基準法改正後の建物でも、かなりの臭気があった。
40数室見て、やっとなんとか入居できる物件が見つかった。
ところが、その頃からしばらく鼻血が止まらなくなった。
香料への過敏性も増し、理解力が衰えた。部屋探しが原因であると思っている。
多くの若者が、このような有害ガスの充満した賃貸マンションで眠っている。若者の健康を蝕み、学習・労働効率に影響しているのではないかと心配だ。
滝ヶ崎 私自身、約10年前に発症。
長女が3年前に学校で発症。学校、教育委員会、市など関連機関に対応をお願いしてきた。
校庭に撒かれる農薬は、セルコートに替えてもらった。
ワックスもシックスクール対応のものにも反応するので、ワックスを使わないようにしてもらっている。
宿泊学習や修学旅行にも、普通に学習活動が送れるようにと、さまざまな交渉や努力を重ねてきた。
市の宿泊施設のトイレボールは除去してもらったが、現在進行中の学校の耐震工事に関する交渉で苦労している。
行政は文科省のパンフレット「健康的な学習環境を確保するために」も知らないし、化学物質についてあまりにも知らない。
少なくとも、このパンフレットの内容をきちんと守れば、学校環境はずいぶん改善されると思う。