食品に応用されたナノテクノロジーをどうみるか2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・■市場規模が一番大きいのは包装分野
 ナノフードの主たる効用は、

(1)微細化で腸管からの成分の吸収能力を高める、

(2)表面積増加で反応性が向上させ少ない量で効果を得る、

(3)味や舌触りを変え、臭いをマスキングするなどして食味を改善する、であろう。
 すでに日本ではカプセルやゲル化剤をナノサイズ化して、主にゼリーやプリン、ガム、飲料など、香料や乳化剤、ゲル化剤を使う食品に何年も前から使用されているものもある(たとえば身近な例では、食品表示欄に「環状オリゴ糖」と記載されているナノ化カプセル分子のひとつであるシクロデキストリンがある)。

防湿剤にナノサイズのシリカ(二酸化ケイ素)、防腐剤にナノクレイ(ナノサイズの粘土)を添加する食品もある。
 また、健康食品では、インターネットショップをはじめ、さまざまな商品が販売されており、機能性成分をナノサイズ化しもの、カプセル化技術を応用して今まで摂取できなかった機能性成分の摂取や脂質等の吸収抑制するもの、金属ナノ粒子(白金ナノコロイドなど)を添加したサプリメントや健康水や飲料……など、数多く流通している。
 じつは、市場規模が一番大きいとみなされているのは包装分野で、食品の腐敗に伴って発生するガスを検知する超微細なセンサーを作り、これを包装紙に埋め込んで、食品が腐敗したことを目で見て知ることのできる包装材料の開発などがさかんに進められている。

また、エコ包装としてのナノサイズのセルロースを用いた生分解性包装、ナノ粒子を添加しての抗菌包装材なども注目を集めている。
 フードナノテクノロジーが決して"ナノサイズ""ナノ物質"という括りで一様にとらえられない広がりと、食経験との深浅さまざまな関わりを持っていることがわかるだろう。