・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・食品に応用されたナノテクノロジーをどうみるか
上田昌文(NPO法人市民科学研究室)
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■数十~100製品ほどが市場に
私たちが食べたり飲んだりしているものには加工食品が相当多く含まれる。それが安全や品質などの面で問題を起こさない限り、普段私たちはどのような技術がそこに使われているかに目を向けることはあまりない。
現在、たとえば、白金ナノコロイド入り食品や飲料、(食べ物ではないが)銀ナノ粒子入り歯磨き、ナノサイズ乳化技術を使った清涼飲料やお酒……など、「ナノテクを使った」と謳っているものもあれば、そうでないものもあるが、数十から100製品ほどが市場化されていると思われる(私たち市民科学研究室の調べでも2009年6月の時点で42製品を確認、大半を占めるのが、コエンザイムQ10、ヒアルロン酸、アスタキサンチン、コラーゲン、植物ステロール、イチョウ葉エキス、白金ナノコロイドなどを用いた健康食品(いわゆるサプリメント))。
食の分野では、ナノテクは口に入れる食品のみならず容器包装や調理器具や検出技術にも応用されるので、幅広く"フードナノテクノロジー"ととらえておく必要がある。
それは、おおまかには、「数nm~数μmの範囲で対象物の物理的構造を制御することで、食品や飲料の摂取はもとより、生産・製造、加工、保存、輸送、消費、廃棄・リサイクルされるそれぞれの工程で、機能性・利用性を高めた技術」と定義することができる。