・3 ニス・ラッカー
○調査方法(表4:調査ニス等の概要)
1. ニス及びラッカー中のVOC類及び不揮発成分の測定
試料をメタノールで100倍に希釈し、加熱脱着チューブに5μL添加、加熱脱着-GC/MSで分析した。
不揮発成分は、試料約0.5gをガラス板に塗布し秤量後、27時間室温で乾燥し、再び秤量して算出した。
・○調査結果(図6:試料中のVOC含有量(%))
1. 油性ニス:油性ニス1、2にはC3ベンゼンが最も多く、他にはC10アルカン、C11アルカンが多く含まれていた。その他、油性ニス1には1-メトキシ-2-プロピルアセテート(8%)、油性ニス2にはトルエン(3%)が含まれていた。油性ニス3については、不揮発成分が調査試料中最も少なく(23%)、C11アルカンが最も多かった(43%)。
水性ニス:水性ニス1には2-(2ブトキシエトキシ)エタノールが(29%)、水性ニス2は速乾性のため揮発性の高い2-プロパノールが(20%)、主に含まれていた。
ラッカー:速乾性のため、揮発性の高い有機溶剤が多く含まれていた。主な物質としては、2-プロパノール、ブタノール、酢酸ブチルに加え、指針値の設定されているトルエン(4%)、キシレン(13%)、エチルベンゼン(8%)等であった。
備考)ベンゼン環に炭素数n個の構造を持つ成分をCnベンゼン、炭素数n個の脂肪族炭化水素をCnアルカンとし、合計した。
※「トルエン・キシレン規制後の塗料中揮発性有機化合物」より(齋藤育江他:H18年度地方衛生研究所全国協議会関東甲信静支部・理化学研究会)