中古ボール被害 | 化学物質過敏症 runのブログ

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●切り込みで増大

実際に中古ボールから化学物質は出ているのか。東京大学の柳沢幸雄教授(室内環境学)にリユース予定の中古ボールを測定してもらったところ、アセトアルデヒド、アセトン、ベンゼン、シクロヘキセン、シクロヘキサノンなどの有害な揮発性有機化合物の放散が確認された。

脚にはめ込む切り込みを入れると、放散量は増大した。

製造時にボールの内部に封印された物質が出てきたと考えられる。

放散量はいずれもごく微量で、切り込みを入れた場合でも、24時間にベンゼンで1個平均0・3マイクログラム。

机と椅子の脚全部で計320個のボールが集まる40人学級での濃度を試算すると、1立方メートル当たり0・01マイクログラム以下となり、大気環境基準(3マイクログラム)を下回る。

ただしこれは、基準通り毎時2・2回、室内の空気が入れ替わったと仮定した場合だ。これらの化学物質が低い場所にたまりやすく、換気されにくいことは考慮していない。

柳沢教授は「健常な子なら問題がないが、敏感な子供には耐え難い環境になっている可能性がある。

原則的にやめるべきだと思うが、導入する場合でも、子供の体調に十分注意を払う必要がある」と訴えている。

これまで300万個の中古ボールを学校に寄付した実績のあるNPO「グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)」(本部・東京)は、毎日新聞の取材でこれらの事実を知り、注意を呼びかける文書を学校に送るとともに、ホームページにも記載するようになった。

子供の体調に変化があった場合は、使用量を減らすか使用を中止するよう求めている。

GSAは今後、有害な化学物質を利用しないテニスボールの製造を、メーカー各社に呼びかける。毎日新聞 2009年1月15日 東京朝刊