各種動物を用いた食物アレルギーモデルの作製 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム39
食物アレルギー・薬物アレルギー―病態生理と治療4―アナフィラキシーを中心に―
座長:田知本寛1), 中村陽一2), 金子英雄3)(東京慈恵会医科大学第三病院小児科1), 横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター2), 岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学3))

MS39-#2.各種動物を用いた食物アレルギーモデルの作製

牛島壮太 藤村 洋 直  弘 西 勝英
三菱化学メディエンス株式会社メディケム事業本部安科研事業部熊本事業所薬理研究部


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現在,食物アレルギーの動物モデルの作製方法は,腹腔内・皮下投与による感作が大半である.

しかし,通常考えられる感作経路は,食物の経口摂取によるものである.

したがって,経口摂取により感作が成立するならば,より臨床に近い食物アレルギーモデルであると考えられる.

今回,我々は,抗原として卵白アルブミンを用い,経口感作・経口惹起によって食物アレルギーの症状を呈するモルモットおよびマウスの動物モデルの作製法を検討した.

評価項目はアレルギーの症状観察,腸管の病理組織学的検査および血清中のIgEとした.

その結果,モルモットにおいては,経口惹起後2時間30分までに立毛,くしゃみ,掻痒行動,耳介の浮腫,活動性の低下,チアノーゼ,下痢,けいれん,死亡がみられ,抗原の経口摂取によりアレルギー反応が惹起されていることが確認された.

マウスにおいても,立毛,掻痒行動,活動性の低下が観察された.

さらに,本モデルに対して抗ヒスタミン薬または抗アレルギー薬を処置することで,その症状が緩和することが明らかとなった.

以上のことから,卵白アルブミンを経口投与することで感作した本モデルは,よりヒトに外挿できる食物アレルギーの評価系として有用であると考えられる.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催