室内を汚染している代表的な化学物質 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・東京衛研より
http://www.tokyo-eiken.go.jp/kenkyuka/kankyo/S1.html


・室内を汚染している代表的な化学物質を以下に示します。

1.ホルムアルデヒドについて
 ホルムアルデヒドは、住宅においてしばしば発生する化学物質の一つです。
 無色で刺激臭を有し、常温では気体です。

水に良く溶け、約30%の水溶液は通常ホルマリンと称しています。

ホルムアルデヒドは、殺菌作用があり、従来より温室や土壌の燻蒸剤等に利用されるほか、標本保存剤、消毒剤、防腐剤として用いられています。
 居住環境におけるホルムアルデヒドの発生源としては、建材、家具、家庭用品、喫煙及び暖房器具の使用等が考えられます。

特に、合板・パーティクルボードの接着には尿素-ホルムアルデヒド系接着剤が多用されています。

また、ホルムアルデヒドは壁紙用接着剤の防腐剤としても利用されています。ホルムアルデヒドの人に対する影響は、主に目、鼻、及び喉に対する刺激作用で、具体的には、不快感、流涙、くしゃみ、咳、吐き気、呼吸困難等の症状が表れます。

また、動物(ラット)で発がん性が認められています。
 厚生労働省は、室内のホルムアルデヒド濃度の指針値として、0.1mg/m3 (0.08ppm)を設定しています。

2.揮発性有機化合物(VOC)について
 揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compounds)とは、常温で蒸発(気化)する有機化合物の総称です。

WHOでは、表1のように有機化合物の沸点を基にしてVOCを定義・分類しています。全揮発性有機化合物(TVOC: Total VOC)は個々のVOCの総和です。


表1. 揮発性有機化合物の分類

   分類         略記       沸点範囲(℃)
超揮発性有機化合物  VVOC     0   ~  50-100
揮発性有機化合物    VOC    50-100 ~ 240-260
半揮発性有機化合物  SVOC   240-260 ~ 380-400
粒子状物質 POM 380以上

VOCの発生源としては、合板、壁紙などの建材や施工時の接着剤、カーテンやカーペットなどの家具調度品、開放型の暖房器具、殺虫剤、消臭・芳香剤、喫煙などがあげられます(表2)。
表2. VOCの発生源と主な材料
発生源の種類 主な材料
建材
パーティクルボード(接着剤)、化粧板(接着剤・原料)、壁紙(原料・可塑剤)、断熱材;発泡尿素樹脂(発泡剤)、尿素樹脂バインダーガラス繊維(接着剤)、シール剤(有機溶剤)、プラスチック配管(原料・可塑剤)、塗料(有機溶剤・原料)、澱粉糊(防カビ剤)、合成接着剤(有機溶剤・原料)

家具・調度品
カーペット(接着剤・原料)、タンス(接着剤・防虫剤・原料)、カーテン(難燃剤)

暖房・厨房機器
開放型石油ストーブ、ガスレンジ(燃料・燃焼生成物)、システムキッチン(原料・接着剤)

日用品
化粧品、事務用品、接着剤、芳香・消臭剤、滅菌剤

電化製品・事務機器
掃除機(防菌剤、防虫剤)、コピー機、マーカー(有機溶剤)

自動車関連
燃料、排ガス、内装材
出典 堀雅宏:ALIA NEWS,37,30-39(1997)

表3. 材料と発生するVOCの例
:材    料 

:発生するVOCの例
有機溶剤
トルエン、キシレン、ヘプタン、アルコール類、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ブチルエーテル、ブチルアルコール
殺虫剤、防蟻剤
ケロシン、クロルピリホス、アレスリン、ペルメトリン、フェニトロチオン、ダイアジノン
防菌・防カビ
チアベンダゾール(TBZ)、p-クロロメタキシレノール、イソプロピルメチルフェノール、ホルムアルデヒド
防ダニ、防虫剤
エムペントリン、ヒノキチオール、フェニトロチオン、フェンチオン、TBZ、p-ジクロロベンゼン、ナフタレン、アレスリン
芳香・消臭剤
リモネン、α-ピネン、p-ジクロロベンゼン、植物抽出油
清掃剤、ワックス
エタノール、デカン、トルエン、キシレン
接着剤
ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ヘキサン、アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン
難燃剤
リン酸トリブチル、リン酸トリス(2-クロロエチル)
可塑剤
フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシル
出典 堀雅宏:ALIA NEWS,37,30-39(1997).花井義道,陳永紅,中西準子:横浜国大環境研紀要,22,1-10(1996) 


3.防蟻剤、殺虫剤、防ダニ剤について
 防蟻剤とは、イエシロアリやヤマトシロアリ等が木質材料を採食して、木造建築物の強度を低下させたり、資産価値を低下させることを防ぐため、土壌や木部に施す薬剤です。

防蟻処理には、床下に種々の製剤形態の殺蟻剤を散布する方法の他に防蟻剤を含んだ種々の材料で土壌を被覆する方法があり、これらが主な発生源となっています。

我が国における空気中防蟻剤の発生量はほとんど明らかにされていませんが、施工後の期間や気温、湿度、場所、居住環境の換気率によって大きく左右されます。防蟻剤を使用した建築物において、その発生による空気中濃度を低下させる技術は確立していません。
 畳やカーペット等に虫やダニが発生することを防止する目的で薬剤が施されている場合があります。これらの薬剤はごく微量ずつ空気中に放散します。

また、スプレー式や加熱式の殺虫剤を使用すると室内空気中濃度が急増します。
 防蟻剤、殺虫剤、防ダニ剤のほとんどは農薬として用いられるもので、かつては有機塩素系農薬が主体でしたが、現在は有機リン系、カルバメート系、ピレスロイド系のものが大部分です。

これらの薬剤には急性毒性、神経毒性、免疫毒性、変異原性・発がん性において注意すべき物質が含まれており、事故事例がいくつか報告されています。
 なお、平成15年7月までに、建築基準法により、クロルピリホス(防蟻剤)の使用は禁止になります。


4.内分泌かく乱化学物質について
 身体の外から侵入して生体の内分泌作用をかく乱する化学物質を、内分泌かく乱化学物質または外因性内分泌かく乱化学物質と称しています。

長い名称なので、環境ホルモンという言葉が使われることもあります。

環境省は約70種類の化学物質を内分泌かく乱作用が疑われる物質としてリストアップしました。

それらの中には室内空気環境に存在する可能性がある物質が含まれています(表4.)。
 東京都健康局地域保健部及び健康安全研究センターでは、人がこれらの物質をどの程度吸入しているのか、暴露量を把握するため室内環境中の内分泌かく乱化学物質に関する実態調査を進めています。

 なお、健康住宅研究会(国土交通省、厚生労働省、経済産業省他)は、安全な居住空間を実現するために優先的に取り組むべき物質として、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンの3物質と木材保存剤、可塑剤、防蟻剤の3薬剤を選定しています。


表4. 室内空気中に存在する可能性がある内分泌かく乱作用を持つと疑われる化学物質
プラスチック可塑剤
フタル酸エステル類 、多くの種類がある
プラスチック原料等
スチレンダイマー・トリマー、ビスフェノール A 

スチレンは生殖毒性がある、ビスフェノール Aはカナダで認定された。
有機リン系農薬
マラチオン、現在は使用されていないが関連物質は多い
ピレスロイド系農薬
ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート
合成ピレスロイドは家庭用殺虫剤の主流になっている
有機塩素系農薬
クロルデン、ノナクロル、ディルドリン 、DDT、HCH(BHC)
これらの有機塩素系農薬はかつて多量に使用されたが、現在は使用されていない
多環芳香族炭化水素
ベンゾピレン、
喫煙や自動車、開放型石油ストーブ、調理器具の使用によって生成する


runより:当然こんなもんじゃ済みません。まだまだあるから怖い。