アトピー性皮膚炎における食物アレルギーの頻度 第2報 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム21
アトピー性皮膚炎―病態生理と治療2
座長:相原道子1), 相場節也2), 中川秀己3)(横浜市立大学医学部皮膚科1), 東北大学病院皮膚科2), 東京慈恵会医科大学皮膚科3))

MS21-13.アトピー性皮膚炎における食物アレルギーの頻度 第2報

小倉由紀子 小倉英郎
国立病院機構高知病院小児科


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2007年4月から2009年3月の2年間に,アトピー性皮膚炎の原因抗原診断を希望して国立病院機構高知病院アレルギー科(小児科)を受診した患者586例(性別は男348例,女238例,初診時年齢は0歳366例,1歳78例,2-5歳80例,6-15歳37例,16歳以上25例,アトピー性皮膚炎重症度は軽症197例,中等症247例,重症112例,最重症30例)に,環境整備と推定食物アレルゲンの完全除去を行い,ステロイド軟膏や抗ヒスタミン剤などすべての薬剤の使用なしで症状が軽快した後に,除去していた食物の経口負荷試験を行った.

脱落41例を除く545例のうち,481例(88.3%)で1種以上の食物負荷試験が陽性であった.

545例中の食物アレルゲンの種類別の頻度は,鶏卵80.6%,牛乳50.6%,大豆23.5%,小麦20.4%,米5.9%であった.

1996年4月から1998年3月の同じ調査の結果(小倉由紀子他:アトピー性皮膚炎における食物アレルギーの頻度,アレルギー50:621-628,2001)では,1種以上の食物負荷試験が陽性90.0%,鶏卵83.5%,牛乳51.5%,大豆33.5%,小麦20.0%,米2.5%であり,この10年間で,大豆アレルギーの減少および米アレルギーの増加が認められたが,アトピー性皮膚炎の原因としての食物アレルギーとアトピー性皮膚炎治療における除去食療法の重要性は変わっていないと考えられた.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催