・CPAP装置から鼻マスクへ送出される空気の気圧は、症状や体格により異なるが、4~20cmH2O程度である。
どうしても処方直後は不快感を持ちやすく、睡眠中無意識に鼻マスクを外してしまうことがある。機種によっては、このような場合に警告音を鳴らすことができる。
CPAPの普及に伴い、不快感を減少させるための工夫が年々行われている。どのような形式の鼻マスクであれ、調整用のバンドが付いているので快適な装着感が得られるまで調整を繰り返し、できるだけ早く慣れるように試みるのが基本である。
骨格などの関係で、どうしても不快感が残る場合は医師に相談し、サイズ・形状の異なる鼻マスクの提供を受けるのがよい。
鼻マスクは、あえて空気が漏れやすい構造になっている。
作動時は常にシューという空気の摩擦音が発生するが、これは異常ではない。
潜水用の酸素マスクのような、呼吸に連動して作動するバルブは付いておらず、息を吐き出したらスムーズにマスクの外へ流れるようになっている。
機種によっては、息を吐く時だけ圧力が下がるものがある。
特に冬季は、冷たい室内の空気が加圧されて送られるため、冷たさや乾燥を伴うことがある。CPAPの機種によっては(オプションパーツの場合も含め)加湿器・加温器を備えているものがある。
これを用いることで不快感を減らすことができるが、過度に加湿・加温した場合、かえって不快感が発生することがある。
その場合はCPAP側で対応するのではなく、寝室の空調で対応すると解決しやすい。
CPAPにはコンパクトで効率の高いエアフィルターが付いている。花粉やハウスダストなどによるアレルギー症状を持つ患者には、オプションパーツとしてアレルゲン対応のエアフィルターが提供される。
どのようなエアフィルターを用いる場合でも、定期的な洗浄・清掃は不可欠である。
装置が提供された際はその方法についての説明をよく聞いておくのが得策である。
CPAPの利用者は、宿泊を伴う移動の際は必ずこの装置を携行しなければならない。
そのため、CPAPは携行の便を考慮したリュックサックやショルダーバッグのようなケースに収めて提供される。
特にビジネス目的の移動では、装置を携行しなかったために移動先での活動が不十分になってしまうようなリスクに留意する必要がある。
重さはだいたい1~3キログラムであるが中には1kgを切るとても軽い機器もある。
どうしても携行しにくい場合は、精密機器扱いの宅配便で目的地に送っておくなどの工夫が望ましい。
尚、電源の確保が難しい航空機内やキャンプ泊用として、専用の携行バッテリーが各社からリリースされているが、国内では未発売となっている。
スリープスプリント(マウスピース)療法 [編集]スリープスプリント(マウスピース)を用いて下顎を前進させた状態を固定し、気道の狭窄を防ぐ。肥満体でなく下顎の小ささに由来する原因が主な対象。
外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術) [編集]口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除し、気道を広げる。
中枢性眠時無呼吸症候群 [編集]原因となる脳疾患、心疾患(虚血性心疾患など)などの治療
在宅酸素療法
BiPAP(バイパップ)療法が有効であるとの報告あり
合併症 [編集]肥満、高血圧、高脂血症、不整脈、多血症、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病など。
動脈硬化性疾患の危険因子である。
診療科 [編集]神経内科(睡眠外来のあるところ)、耳鼻咽喉科、呼吸器科などが適している。
軽度の場合は、医科からの紹介により歯科・口腔外科でスリープスプリント療法が行われることがある。
疫学 [編集]閉塞性睡眠時無呼吸症候群においては、肥満者は非肥満者の三倍以上の発症リスクがあるとされている。
日本人は欧米人よりも肥満度は低いのにもかかわらず、有病率は欧米に劣らないという報告もある。
これは、いわゆる東アジア人の顔面骨格構造のために発症しやすいのではないかと考えられている[1](補足も参照)。
補足 [編集]新幹線の運転士やトラックの運転手など、人命に直結する職業に就いているものの中にもこの病気が隠れていることが話題となった。
職業柄、大相撲の力士にもこの病気が多く、横綱大乃国、白鵬などがこの病気に悩まされた。
なかでも大乃国は現役時代の1980年代後半にこの病気にかかって成績不振となり、好角家の間に睡眠時無呼吸症候群の名を一躍有名にした。
また、プロレスラー橋本真也の早すぎる死も睡眠時無呼吸症候群が原因の一つであるといわれている。
NHKスペシャルの「病の起源」によれば肥満体型の人のほかにも、顎の小さい人もなりやすいとも言われている。
顎の小さい人は同時に気管が狭く、気管狭窄になりやすいともいわれている。また、人類の顎は時代が経つにつれて小さくなりつつあるといわれている。
これは、人類が食料不足を解消するため、これまで口にしてこなかった動物の内臓や骨の髄などの柔らかい部分を食料にしたことで、顎を使う機会を減らしていったと考えられている。
そうした影響で人類の顎は次第に小さくなり、ついには睡眠時無呼吸症候群になりやすい骨格へと変わっていったと考えられている。
この睡眠時無呼吸症候群を宿命病の一種と考える学者も多い。