・2 日常点検の強化
(1) 入室時の臭いの確認
特に休日(業)明け,特別教室などは注意深く確認し,使用を予定していない教室であっても換気の徹底を図ること。
特別教室(音楽室・コンピュータ教室など)が普通教室よりも室内濃度が高いデータがあり,その理由としては,次のことが考えられ,換気が非常に重要である。
① 普通教室と材質,備品などが異なる。
② 一日の使用頻度が少なく,連続した換気が行われない。
③ 換気が行われないことから,化学物質の低減が進まない。
(2) 換気回数の確認
汚染化学物質だけでなく,二酸化炭素・一酸化炭素が教室内に充満することにより,児童生徒が体調不良を起こす場合があり,教室内の換気の徹底を図ること。
換気時間は気候にもよるが,効率的な方法であれば短時間でも十分効果がある。
(3) 健康状態の確認
新・改築時には移転前と移転後3か月程度は定期的に健康調査を行ない,日常的には主な症状例を基に健康観察を行ない,定期健康診断等のデータと比較しながら健康の変化を把握し,早期発見に努めること。
(4) 夏期・冬期及び長期休業中の換気
長期休業期間中は,教室等のドア・窓を閉めきった状態が続くことが多く,有害な化学物質の室内濃度が高まっていることが想定されることから,児童生徒の化学物質からの健康への影響を防ぐため,休業明けの1週間前には全校舎の換気の徹底を図ること。
なお,冬期の換気は,化学物質の放散には一定の温度が必要であることから,室温を上げて行うことも必要である。
3 その他の健康への影響
(1) その他の物質
電磁波(電磁波過敏症:携帯電話・テレビ・電子レンジ・パソコン,高圧トランスなど)・アレルゲン(ハウスダスト・ダニ,カビ)などを原因とする健康被害もあり,児童生徒の家庭環境などにも注意を払うとともに,アレルギー性疾患を有する児童生徒の健康状態の把握を行い,体調の変化が把握された場合は,早めに学校医等に相談するなど,保護者との連携を図りながら,適切な対策を講じること。
なお,電化製品やレーザープリンター,コピー機の使用時は,熱や排気が直接人に当たらないように,排気口を窓側にするなど設置場所にも配慮すること。
*ダニ及びダニアレルゲンの検査については,平成16年4月から実施が義務づけられたことにより,保健室の布団,畳・カーペット敷きの教室等のダニ等の発生のおそれがある教室の検査を学校保健課で実施しているが,学校においても該当する教室等の掃除の徹底,布団などの天日干し・クリーニング等の措置を適宜講じること。
(2) 食物等
児童生徒の中には食物アレルギーの症状を有する場合もあり,給食・学校行事などの際には健康状態について保護者と緊密に連絡を取り合い,十分な注意を払うこと。
また,食物に限らず,学校行事で使用するものの素材などにも留意するとともに,校外活動の際には,排気ガス・人混みなどにも気遣いが必要である。
(3) 生活用品
平成12年度から本市においてはトイレボールを使用禁止としているほか,石けんは汚染化学物質の少ないものを配布しているが,防虫剤・消毒剤などは規制していないことから,学校で購入する際には成分等を十分精査して,有機リン系・有機塩素系以外のものを購入すること。
また,ペンキは水溶性のものを,ワックスはできる限りノンホルム・ノントルエンなどの素材のものを使用し,塗布の作業に当たっては,換気の良い環境で行うなど,作業する職員の健康にも留意すること。
(4) その他
学校職員は化学物質からの健康への影響を児童生徒から守るため,香水などは慎み,化粧品・整髪料についても控えめにすること。