咽喉頭異常感症2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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性差 [編集]一般に本症は女性に多いと言われ[16]、“咽喉頭異常感”を示す広義の咽喉頭異常感症ではその発症に男女の差はないが[12]、器質的病変が見られない狭義の咽喉頭異常感症では明らかに女性が多い傾向[12][17](あるいは有意差をもって多い[15])が報告されており、更年期障害の関与も指摘されている[12]。

治療 [編集] 西洋医学的治療 [編集]器質的疾患が認められる患者にはそれに対応する治療を行い、器質的疾患が認められない患者には以下の治療を施す[2][11]。

不安・緊張状態:抗不安薬
うつ病、うつ状態:抗うつ薬
ヒステリー性の転換反応:心理療法
また、局所の炎症が否定できない患者にはリゾチームなどの消炎酵素薬[12]やマクロライド系抗生物質[18]が、アレルギーが否定できない患者には抗アレルギー薬[18][19]が、単独あるいは上記の薬剤や以下の漢方処方と併用される[18]。

東洋医学的治療 [編集]咽喉頭異常感症の症状は、東洋医学的には「気滞」と考えられるため、漢方処方としては代表的な気剤である半夏厚朴湯が頻用され[6][8][9][20]、また半夏厚朴湯と小柴胡湯との合方である柴朴湯(胸脇苦満を呈する場合や小柴胡湯の抗炎症作用を期待して)[2][12][18]、茯苓飲との合方である茯苓飲合半夏厚朴湯(虚証で胃内停水を呈する場合)などが証に合わせて用いられる[21]。他に苓桂朮甘湯、甘麦大棗湯、柴胡加竜骨牡蛎湯などが用いられる場合がある[6][22]。

歴史 [編集] 欧米 [編集]咽喉頭の異常感は古代ギリシア時代から記載があるといわれており、ヒポクラテスは更年期の女性が起こす病態と捉え、当時、子宮は体内を移動する臓器と考えられていたため、これが喉につかえる感じを生じさせていると考えた[16][17]。

1707年John Purcellは本症をヒステリックな人に見られる喉のつかえとして捉えてこの症状を記述し、後に「Globus hystericus」(ヒステリー球)として『Oxford Dictionary』に収載された[17][23]。1919年にFerenczi(en)は、「患者の訴える『咽喉頭に塊りがあるような感じ』は、罪悪感、敵意、落胆などの心理的葛藤が、身体化したものである」と説明し、精神面・心理面の関与を指摘している[24]。

1968年Malcomsonは、本症は単なるヒステリックなつかえ感ではないとして「Globus pharyngeus」(咽頭球)と命名することを提唱した[17][25]。他に「Kehlkopf Neurose」(喉頭神経症)、「Lump in throat」(喉の中の塊り)などの呼称で検討されてきた[2]。

東洋 [編集]東洋においては、中国後漢の医学書である金匱要略の第22篇婦人雑病篇に「婦人、咽中炙臠あるが如きは、半夏厚朴湯これをつかさどる」とある。「炙臠」(しゃれん)とは「炙った肉」の意で、つまり「女性で、喉に炙った肉のようなものがひっかかっている感じがする症状には、半夏厚朴湯が適応である」といった意味の文章となる。

また、唐代の『千金方』(650年代)では、半夏厚朴湯の適応をより具体的に「婦人、胸満し、心下堅。咽中帖々として炙肉臠あるが如く、これを吐けども出でず、これを咽(の)めども下らざるを治す」としている。

このような異物感を、後世では梅の種にたとえて「梅核気」(ばいかくき)と称するようになった[6][8]。

現代の中医学では、本症を「咽神経官能症」と呼称する[15][26]。