・第2章 臨時環境衛生検査
1 学校においては、次のような場合、必要があるときは、必要な検査項目を行う。
(3)机、いす、コンピュータ等新たな学校用備品の搬入などによりホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物の発
生のおそれがあるとき。なお、新築・改築・改修等を行った際にはホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物濃度
が基準値以下であることを確認させた上で引き渡しを受けるものとする。
2 臨時環境衛生検査は、その目的に即して必要な検査項目を設定し、その検査項目の実施に当たっては、定期
環境衛生検査に準じて行うこと。
3 臨時環境衛生検査の結果に基づく事後措置については、定期環境衛生検査の結果に基づく事後措置に準じ
て特に迅速に行うようにする。
材料・施工材に留意し、施工後3週間程度の養生・乾燥期間が確保されている場合は、基準値を大幅に
超過することは考えにくいといえます。それでも基準値を超過した場合は、測定直前に補修工事で再塗
装が行われていたり、他室からの汚染空気の流入や換気経路の遮断、規格外の化学物質放散建材が使
用されているなどの可能性があります。
基準値を超過した場合は、工事記録の確認などにより、原因の究明に努め、発生源を除去するなどの
対策が必要です。原因が特定できない場合や発生源の除去が直ちにできない場合は、施設の状況に応
じて各種抑制対策を施す必要があります。
―建物引き渡し前の各種抑制対策例の比較―
対 策 実施方法 低減原理 特 徴
換気の励行 ・機械換気の運転 室内に放散される ・全ての化学物質の濃度低減に有
・窓開けによる通風 VOCを速やかに排 効である。
除し、建材からの放 ・夏期と比較して室温の低い冬期
散を促進する。 は効果が少ない。
ベークアウト ・暖房機器の運転 室温を上昇させ、 ・トルエン、キシレンなど建材表面
・熱源ヒータによる 建材などに含まれて から放散される化学物質の低減に効果
昇温 いるVOCの放散を促進する。 的である。・建材内部に含まれるホルム
アルデヒドの低減には効果が少ない。
空気清浄機の ・換気量が十分確保 機種によって原理 ・VOC除去効果は物質によって異なる
運転 できない空間を対 は異なるが、吸着・ ・換気の代替と位置付けられる
象に設置し運転 分解によりVOCを
除去する。
吸着剤(材)の ・発生源の近くに設置 製品によって原理 ・ホルムアルデヒドを対象とした製
設置 ・それ自体が低減効果 は異なるが、吸着・ 品が一般的である。
を有する建材として 分解によりVOCを ・吸着剤と空気との接触効率が除
使用 除去する。 去性能に影響し、発生源近くに設
置するほど低減効果が大きい。
汚染源の除去 ・汚染原因を除去し、 汚染源を除去する。 ・対策として大掛かりであり、一般
放散量の少ない材 的に多大な費用を要する。
料に置き換え
____________________________________________________________________________________