・日本アレルギー学会よりミニシンポジウム5
気管支喘息―診断と管理2―難治病態と発作への対応―
座長:中島宏和1), 杉山温人2), 平田健雄3)(近畿大学医学部奈良病院呼吸器・アレルギー内科1), 国立国際医療センター呼吸器科2), 静岡市立静岡病院3))
MS5-7.難治性喘鳴を呈した気道異物の1例
田中裕也 安部信吾 笠井和子 中岸保夫 三好麻里
兵庫県立こども病院リウマチ・アレルギー科
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【症例】1歳男児
【主訴】発熱,喘鳴
【現病歴】フライドチキンを食べていて転倒するというエピソードの後しばしば喘鳴に気付かれていたが,10日後に発熱が出現したため近医受診し喘息と診断され鎮咳剤と気管支拡張剤を処方された.
症状は改善せず15日後高熱と喘鳴を主訴に近くの総合病院を受診した.
喘息性気管支炎として気管支拡張剤の吸入療法を施行されたが無効であった.
胸部レントゲンにて片側肺野の過膨脹を指摘され,CTにて左気管支異物と肺炎像を認めた.
気管支鏡にて摘出を試みられたが異物の摘出は出来ず,当院へ救急搬送され,同日気管支鏡による緊急気管支異物除去術が施行されたが除去出来ず.
入院7日目に待機的に気管支異物除去術を施行し,異物を除去出来た.
その後の経過は良好で入院9日目に退院.
病理検査にて異物は鶏の骨が疑われた.
【考察】今回我々は喘鳴を主訴に医療機関を受診し,最終的に気道異物と診断された1例を報告した.
また現在まで当院で経験した気道異物症例を検討したところ,難治性喘鳴または肺炎として治療されていた症例が約3割もあった.
小児においては異物の誤飲,誤嚥の事故が珍しくない.
乳児で治療抵抗性の喘鳴や肺炎像を呈する症例に対しては,気道異物の存在も常に鑑別する必要があると考えられた.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催
runより;こんな事もあるんですね。化学物質過敏症の喘息も吸入療法が効きにくいです。