46団体による公開質問状及び厚労省の回答7 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・問題点6.68 頁:精神症状や、精神疾患等との合併や既往との関連を示す報告があるとし、「過去に罹患した精神疾患を把握することも参考になると考えられます。」と述べているが、デンマークEPA の報告書には、精神医学的診断がつく患者は多くないとする報告や、「職業誘発環境病の補償を求めて提訴している」人について「環境病になる前は、誰も精神医学的診断を持たなかった(Terr, 1989)。」とする報告も紹介されている。精神神経症状がみられるということと精神疾患であるということは同じではないのに、誤解を与えかねない記述である。
問題点7.69 頁:「自覚症状が基本となる症候群であり」「QEESI は主観的なものであり、精神神経的な疾患が疑われる患者においては、非常に高得点を示すことがあるといわれている」
問題点3 で指摘した他覚的神経検査のことにはいっさい言及せず、自覚的症状による診断と決めつけている。
問題点8.70 頁:「このマニュアルには『化学物質過敏症』に関する最近の考え方や内外の知見が書かれています」とあるが、トルエン暴露時の脳血流の画像など最新の研究も紹介されておらず、決して最近の考え方や知見を反映したものではない。

心因性疾患を示唆する報告を多数紹介しているが、紹介されている報告に偏りがある。デンマークやオーストラリアなど海外の政府機関がまとめた報告書において多数紹介されている、他の病因論が十分紹介されていない。
デンマークEPA の報告書には、「MCS の出現に関連して心因性の問題の重要性に関する10 の調査のうち9 つに、横断的調査における原因と原因関連の混同を含む8 つの大きな方法論的問題が発見された」、あるいは、「心理学上の要素は他と比べてMCS 基準を満たす人々の中で特に多いということはない」などの報告も複数あるのに一切紹介されていない。

さらに、遺伝子解析で対照群と違いがみられ、患者群は化学物質を解毒する酵素の働きが弱い可能性があるなどの報告がある遺伝子研究についても紹介されていない。
問題点9.6章の記述は、アンケートのデータが中心で、患者を長期にフォローアップした詳しい症例の提示もなく、患者の実態が反映されていない。

化学物質過敏症を心因性疾患として治療し、治癒した症例があるのか疑問である。

多くの患者が、衣食住にわたる環境改善をはじめ、運動等による解毒等、大変な努力を通して回復していっている事実を無視した、実態に基づかない見解と言わざるを得ない。
問題点10.6 章には、参考文献の記載が一切ない。巻末資料に、石川哲や相澤好治、秋山一男らをそれぞれ主任研究者とする厚生労働科学研究補助金によるSHS 関係の研究報告が記載されていないことも問題である。
問題点11.76 頁:Q&A のQ4 シックハウス症候群と化学物質過敏症の違いについての回答で、微量の低濃度化学物質への反応さえ疑問視し、「しかし、検査では所見が見られず、原因物質との因果関係は明白にされていないことから、心因的要因や環境ストレスなどの関与が大きいと推察される」とまとめているのは、非科学的な決めつけであり、何を根拠にこのように結論づけているのか疑問である。

さらに、詳しくは6章を参照するように記載しているが、6章では精神的問題、過去のストレス、精神疾患等の語句が並び、「過去の精神疾患を把握すること
も参考になると考えられる」という記載もあり、家族や関係者、市民からの問い合わせに、保健所職員がこのマニュアルをもとに回答することにより、家族が精神的なものと誤解し、早期に適切な治療が受けられない、必要な環境改善がとられない、周囲に理解を得られないことで二次的な精神的苦痛を受けるなど、患者が不利益を被る恐れがある。
問題点12.6章をはじめ、2章、Q&Aなど化学物質過敏症に関連する記載をみる限り、化学物質過敏症は心因性疾患であるという考えで貫かれていると思われるが、このような一方的、非科学的な、偏った内容のマニュアルを、国が利用を推奨する内容の文面をつけて配布したことにより、化学物質過敏症に関する地方行政の取り組みが一層遅れることが危惧される。
ある自治体が「このマニュアルを読む限り、(香水で倒れた子どもも)香水が原因かどうかわからないといえる、『香料自粛のお願い』ポスター掲示など化学物質過敏症に関する啓発はできない」とコメントしたが、今後他の自治体によって、このマニュアルにより患者のための施策に関する要望が退けられる懸念もあり、その場合多くの患者が不利益を被る可能性が否定できない。
以上


runより;化学物質過敏症が精神疾患であってたまるもんか!

精神に障害をきたすのは2次災害と言えます。