急激に社会問題化している心身症の克服モデル | 化学物質過敏症 runのブログ

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・厚生労働科学研究成果データベースより
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do


・文献番号 200833038A
研究課題 急激に社会問題化している心身症の克服モデル
研究年度 平成20(2008)年度
報告書区分 総括
主任研究者(所属機関) 福土 審(東北大学 大学院医学系研究科・行動医学分野)
分担研究者(所属機関) 谷内 一彦(東北大学 大学院医学系研究科・機能薬理学分野)、田代 学(東北大学 サイクロトロンラジオアイソトープセンター・核医学研究部)、本郷 道夫(東北大学 病院・総合診療部)、青木 正志(東北大学 大学院医学系研究科・神経内科学分野)、金澤 素(東北大学 大学院医学系研究科・行動医学分野)
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
開始年度 平成19(2007)年度
終了予定年度 平成21(2009)年度
研究費 4,000,000円
概要版 研究目的:
目的:国民の健康を左右する要因としてストレスの比重が急激に高まっている。

その代表的な病態が過敏性腸症候群、摂食障害をはじめとする心身症である。

本研究では、内臓知覚と認知過程に焦点を当て、末梢信号からの情動、心理形成の過程について、脳画像を中心に検討した。
研究方法:
方法:内臓知覚の脳内プロセシングとストレス反応性の関連をポジトロン断層撮影(PET)と磁気共鳴画像(MRI)を用いて検証した。

PETを用いたヒト被験者研究の方法論的開発・改善を行い、機能的磁気共鳴画像(fMRI)による認知柔軟性の分析を行い、脳ヒスタミンH1受容体画像定量化を行った。

セロトニントランスポーター遺伝子多型別に脳の刺激反応が異なるか否かを分析した。過敏性腸症候群の治療効果に影響する因子を分析した。
結果と考察:
結果:心理社会的ストレスと内臓刺激誘発時の膝下部前帯状回(BA25)、外側眼窩前頭皮質 (BA11)における局所脳血流量が有意な正の相関を示した。また、心理社会的ストレスは膝下部前帯状回(BA25)、precuneus (BA7)、左下部前頭皮質 (BA47) の灰白質体積と負の相関を示した。

[11C]ドキセピンが安定供給され、脳ヒスタミンH1受容体定量化の種々の方法を開発し、神経性食欲不振症のH1受容体増加を明らかにすることができた。fMRIによる認知柔軟性に画像の性差があり、重回帰分析では男性の頭頂連合野、女性の帯状回の強い賦活が認められた。

セロトニントランスポーター遺伝子多型l/l、l/s、s/sが判別され、sアリルを持つ個体の内臓知覚時の帯状回の賦活が強かった。

過敏性腸症候群の治療効果に心理社会的要因ならびに医療従事者との関係性が影響した。
結論:
結論:内臓知覚時の脳賦活と心理社会的ストレス負荷量が関連するという仮説が支持されたことを嚆矢とし、ストレス関連疾患の克服に繋がる知見を得た。

神経伝達物質の受容体画像分析法が改善され、性差、遺伝子多型による脳反応の差が明らかにされたことにより、心身症の脳内機序の解明に更に迫ることができた。
公開日 2009年04月21日

runより;この記事には8つのPDFファイルがあります。

ボチボチですが画像アップしていきます。