第2号 キレる 精神科医師 金子 浩二 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・大阪市健康福祉局健康推進部こころの健康センターより

・ 最近の若者はすぐに「キレる」と言われています。

近頃は、少年犯罪の凶悪化といった問題と相まって「壊れる子どもたち」とまで表現されています。

際立った犯罪の諸事情を一般化し、流行語(?)のようにしてしまうところには釈然としない思いが残りますが、上手に我慢できない子どもたちが増えているのは事実のようです。

 「キレる」とは「何かのきっかけで、頭の中が真っ白になり、前後のできごとを覚えていない、または通常ありえない行動に移っていた状態」と、書いてある本がありましたが、乱暴にまとめてしまうと「我慢しきれず、衝動的になってしまう」ということです。

「我慢が足りない(つまり“しつけ“不足?)」「いい子でいようとした結果(つまり“しつけ“が厳しすぎる?)」となんとも矛盾したような原因が同時に語られていたりして、子を持つ親の立場ではどうしてよいのかわからなくなってしまうことが多いのではと思います。

 今回は、この「キレる」という現象を、「我慢」という問題に絞って考えていきます。今は何をするにも本当に便利な時代です。

24時間オープンのコンビニやレストランは、「お腹がすいた」といった欲求を簡単に満たしてくれます。

インターネットを利用すれば自宅にいながらショッピングや情報収集が簡単にできてしまう世の中になってきています。

「便利」なことは、「ありがたい」ことなのですが、何時でもご馳走がぶら下がっている様な状況の中では、自分自身の欲求を上手にコントロールしなければならないというテーマが生まれてきます。

我慢するのが大変(耐性をつけるには)難しい時代に、子どもたちが生きている事実があるように思います(大人も我慢しない時代になってきていますが…)。どうやったら「キレない」「我慢しやすい」人になれるのでしょうか?

 ここで、忘れてはいけないことは、多くの方々の努力や苦労によってこれだけの快適な社会ができてきたということです。

この「便利さ」を享受することからではなく、「苦労して(がんばって)組み立てる」「苦労して(がんばって)手に入れる」という過程の積み重ねから、「我慢」の重要な要素を得ることができると考えます。

「キレる」「壊れる」ことで、大事なものや大切な人間関係を失ってしまうのはあっという間ですけど、そういったものを「造る」のにはたくさんの時間がかかります。

 要は、「高額なお年玉よりコツコツお小遣い」ということです。

当然、「失敗する」「手に入らない」体験も大切です。

子ども達は、日常の素朴な「遊び」の中からこういった体験を繰り返し、たくさんの「我慢」を手に入れていくものです。

我慢を学ぶためにも、苦労して(?)たくさん遊びましよう。
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