・日本アレルギー学会より
・ミニシンポジウム33
アレルゲン・抗原と症例2
座長:石井 彰1), 宗田 良2), 安枝 浩3)(東京学芸大学保健管理センター1), 国立南岡山医療センター内科2), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター3))
MS33-10.小学5年生一般集団におけるアレルゲン感作とアレルギー疾患有症率・受診率との関連
向田公美子1,4) 楠 隆1,2) 森本 剛3) 八角高裕2) 西小森隆太2) 平家俊男2) 藤井達哉1) 中畑龍俊2)
滋賀県立小児保健医療センター小児科1) 京都大学大学院医学研究科発達小児科学2) 京都大学大学院医学研究科医学教育推進センター3) くみこアレルギークリニック4)
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【目的】学童期における総IgE値,アレルゲン特異的IgE値の分布と,アレルギー症状や受診率との関連を明らかにする.
【方法】近江八幡市小学5年生の検診機会を利用して,希望者618名(実施率94.5%)にアレルギー検査を行い,質問票の内容と比較検討した.
【結果】総IgE平均は485.9,ダニ,スギ,ヒノキ,カモガヤ陽性率は各々46.6%,40.3%,28.4%,35.1%で,半数近くがいずれかのアレルゲンに感作されていた.
喘息,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎の有症率は各々5.0%,6.8%,26.7%,23.9%.有症例の受診率は各々80.6%,52.4%,49.7%,27.7%であった.
未受診例の重症度分布やアレルゲン感作率は受診例と変わらなかった.
【考察】喘息以外では重症例,アレルゲン感作例にも関らず未受診例が多く,必要な例が充分な医療を受けていない可能性が示唆された.
受診率向上のための対策を考える必要がある.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催